実の死と母親
実が亡くなりしばらくして、彼の母親が現れた。
彼が亡くなってからしばらくして
「実〜、山口実を誰か知りませんか〜?」
彼のお母さんの明子さんだろう。彼を必死に探していた。俺は彼女のところに行く決心をした。すると美奈も、
「私も行く。」
と言ってくれた。俺のことを気遣ってくれたらしい。
「あの、実くんのお母様の明子さんですか?」
俺がそう聞くと彼女は返事をせず、
「実は?実はどこにいるの?」
と、少し顔を明るくして聞いてきた。俺は言いづらかったが、本当のことを伝えた。
「ごめんなさい。道で倒れてるのを見かけて、一度他の人を助けてから実くんのところに向かったのですが」
俺はまた泣いていた。喋るのも辛かった。
「その時には意識が朦朧としており、急いで医者に診てもらいましたが、その時には、、、」
それ以上は言葉が出なかった。彼のお母さんも涙を流していた。
「ごめんなさい。俺がもう少し早く助けてれば。彼は、、、彼は、、、」
俺は殴られると思っていた。しかし明子さんは反対に
「そんなこと言わないで。実の前に助けた人たちは助かったんでしょ?」
俺は頷いた。すると彼女は笑って
「その人たちを助けたあなたは十分立派な人間さ。この子はきっとそういう運命だったんだよ。」
と、俺を慰めてくれた。
「違う、運命なんかじゃない。立派なんかじゃない。国のせいで、俺たちのせいで。俺たちがあそこに基地なんか作ったから、、、。彼には未来があったのに、、、。それを俺が奪ったんだ。ごめんなさい、、、。ごめんなさい、、、。」
俺はただひたすら泣きながら謝った。
読んでくださりありがとうございます。書きながら泣いてしまいました。




