第四十六話
「という訳で……この『キャメロット大学』で「美術」の担当をさせてもらってる、アヤマ・ペンドラゴンだ」
僕はハッとした、いいや僕だけではない……教室内の数人もそれに気づいたことだろう、隣の生徒にひそひそと憶測を共有し合っている。僕の肩にもソロモンの手が置かれた。
(なぁ、ペンドラゴンってもしかして……)
(間違いない、アーサー王の名字だ!)
僕は確信した、何故ならペンドラゴンとはアーサー王の名字であるからだ。
しかも国際的な法律により、全世界の人間は「円卓の騎士」の名・苗字両方を名乗る事を禁じられているため、子孫である人間でしか名字を名乗る事を許されないのだ。
これらの事から、目の前にいる美しい女性は「円卓の騎士」の王の子孫であることが分かる。
「みんなの憶測は正解だ、私の名字ペンドラゴンはアーサー王のものと同じ。自慢じゃないが、妖精の湖に返された聖剣の使用権限もある」
数か月に一回、使えるか使えないかってレベルだけどね。と、アヤマさんは付け加えたが、それでも衝撃は大きかった。
(……ホントどうなってるんだ⁉ この学校⁉)
・世界の法律
「円卓の騎士」のような超有名な偉人や伝説上の人物の名前を、子孫以外は名乗ってはいけないという法律がある。(キャメロット大学の「円卓」の合格者は例外)
名乗った場合は罰金が科せられる。
「円卓の騎士」の他には、神話の最高神や大英雄なども規制対象になる。
・聖剣エクスカリバー
アーサー王伝説を形作ったともいえる武器。
妖精が作ったとされており、その威力は絶大……特に悪行を働いている者に対して威力は倍増する。
現在は妖精の湖に返還されており、子孫であるアヤマでさえも一か月に数回程度しか使えない。
ちなみに、これまで使用許可が下りた事は無い、なぜなら使う必要が無いと、聖剣とそれを守る妖精が判断したからである。




