表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無の魔術師  作者: キリン
【第一期】第一章 キャメロット大学
43/229

第四十三話

「……」


 本を読むふりをしながら、僕は目線を一瞬だけ前方に移す。


「……」


 そこには滅茶苦茶怖い顔でこちらを見つめるパーシヴァルさんがいる、僕が本を読み始めても何故か机の前で仁王立ちしており、いまだに僕を睨んでいる。

 正直言ってかなり気まずい、つい一時間ぐらい前に助けてもらったばかりなため、「自分の席に戻れ」とも言いにくいし、トイレと称して教室を立ち去ろうにも滅茶苦茶怖くて動けない。


(僕何かした? してないよね? なんで?)


 頭の中には二つの選択肢がある、この場で大声を出し助けを求めて恩を仇で返すか、取り合えず漏らすまで耐えるか。


「……」

「……」


 いや無理だろ。


(無理っ! 誰か助けて!)


 本が破れる程手に力が籠る、ぐしゃ、小説のアホなシーンの挿絵がぐしゃぐしゃになった。


 きーん、こーん、かーんこーん。


「……え?」

「……次の教科は美術です、用意しておくように」


 突然鳴ったチャイムの音を聞き、パーシヴァルは吐き捨てるように言ってから自分の机に戻った。


(たす、かった?)


 安堵の息を吐くと同時に僕は見た、廊下から布団にくるまった謎の生物が迫ってきていたのだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ