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第十六話
『キャメロット』の門をくぐって、僕はこの城の歴史と荘厳さを再確認した。
作られてから数千年は経っているであろう歴史のあるこの城の壁を見てみる、外側も白く美しかったが、内側はもはや磨かれた宝石のようだった。
無論、この城は美しいだけではない。合格通知の手紙を受け取った時に入っていたパンフレットによると、この『キャメロット大学』を囲む壁には、校長である『不滅の魔術師』マーリンによる大結界が張ってあり、数千年前の円卓の脅威から、現代における『無面』の大襲撃も防いだとされている。
今の所、この城が破られたことは数千年前の数回であり、近代となってはこの城の壁を破れる「魔法使い」も「魔術師」も、マーリン以外に存在しないとされている。
「俺、ホントにここで勉強するのか……」
古い本や、貴重な資料などもあるだろうなぁと思いながら、僕は足を進めようとした。
「おい、待てよ」
聞き覚えのあるムカつく声が耳に入ると同時に、僕の体は真横に吹っ飛ばされた。




