第十五話
「スゥ……はぁ、すぅ」
熱くなった体と頭を冷やしながら、僕はゆっくりと歩いていた。
先程は初対面の女性にムキになりすぎた、そうだ、あの人は自分が「魔法」が使えないことなど知る由も無かったはずなのに。
(あとで、謝らなきゃな)
話してもらえるかどうかも分からないのに、僕はどう話しかけるか、それだけを考えていた。そうしている間に、僕は自分の学び舎へと辿り着いたようだ。
「でっ……か!」
他の合格者や先輩もいるだろうに、僕はその大きさに度肝を抜かれていた。
しかし学校……つまり本城であり校舎である『キャメロット』は、学校を大きく囲む白亜の壁によって隠されていた、いいや、守られていたと言った方が正しいのだろうか?
取り敢えず分かる事がいくつかある。この『キャメロット大学』はとても大きく荘厳で、この城を本拠地にしていたアーサー王と『円卓の騎士』達は偉大で……。
(これから僕は、この学校で学ぶってこと)
緊張と期待、そして先ほどの少女のような天才がたくさんいるこの白亜の城の門を、僕は雪の降る曇り空と共に見上げた。
僕は意を決して、『キャメロット大学』の門をくぐった。




