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無の魔術師  作者: キリン
【第一期】第三章 決闘
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第百二十四話

『幽霊車』で移動する10分間は、とても息が詰まるような気持ちだった。

 気まずいなんてレベルじゃない。何の非も無いパーシヴァルさんにあんな態度を取ったんだ、目が合っただけでパニックになる自信がある。彼女自身も、あの時の自分に思う事があり、ああして言葉で伝えてくれようとしていたのだ。


 遮りさえ、しなければ。


(……僕が、悪いのかな)


 あの時のパーシヴァルさんの顔と、僕が遮った言葉を嫌でも妄想してしまう。それが本当にリアルで、現実味を帯びていて、今すぐにでも自分の前に現れてしまいそうな、悪夢のような恐ろしさを感じてしまう。


 そもそも、だ。何故あんなことが起きてしまったのだろう。リュウ=アルビオンが激昂し、命を奪おうとするほどのものなのだろうか? あんなものを見せられたあとでは、悪口程度ならば拳一発で済ませると思う。


 やはりリュウ本人の堪忍袋が小さいのだろう、あまり深く考えても虚しいだけだ。


(どの道、僕の学校生活はこれでパーだな。友達もいない、「円卓」の合格者に逆らったっていうレッテルを貼られた)


 まぁ別に何かが変わるわけではない、昔の自分に戻るだけである。

 僕は憂鬱にため息をつきながら、下駄箱で靴を履き替え、教室に向かった。



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