第百十話
「……」
授業が終わった。
特に感想は無い、ただただつまらなかった。
魔法式は知っている物ばかりだ、なぁにが世界最高峰……伝説に語られる「魔法」を復元し、まがい物を見せられている気分だった。僕だったらもっとマシな魔法式を立てられる。
術式も同じだ。効率もクソも無い、この世界の頂点で踏ん反りがえっている「魔術師」共が、一体どれほど無駄な魔力を使っているのかが目に見える。
笑いを堪えるのに必死だった。――失望でしかない、新しく学ぶことも尊敬できることも、何一つ存在しない……あるのは慢心と封建的な教育理念。我欲に満ち溢れたアーサー王伝説と何も変わらない。
(……ダメだ、いったん外に出よう)
折角の中休みを愚痴と失望で終わらせたくない。そう思い、僕は席を立ちあがろうとした。
そこで、気づく。
教室の外。廊下……人の声がたくさん聞こえる。ドアでは心配そうな顔をする生徒が数名。廊下の奥で杖を出す生徒が数名……。
「キャメロット大学」校内において、教師以外が「魔法」を使う事は絶対に禁じられている。杖を懐から出さないことが義務化されるほどで、いかなる理由があっても使用することは許されない。(教師の許可があれば限定的な使用が許可されるが)
そんな校則があるにもかかわらず、あの生徒たちは杖を持っている……今にも「魔法」を使いそうだった。
……嫌な予感がする。席を立ちあがり、メリケンサックを手にはめる。おそるおそる廊下の外に出た。
そこには、ソロモンと……ソロモンの首を占めるリュウ=アルビオンがいた。




