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第6話 苦痛耐性

(ようやくだ………。ようやく1000回目…今までどれだけ耐えてきたことか…。頼むからスキルになってくれよなぁ〜〜)



 いつも通りスキルを使い、最後の1回になると1つ深呼吸をした。



(よし、やるか。しみじみしてもしょうがないしな。本当にスキルが手に入るのかも分かんないし。)



(いくぞ!『静電気』!!」



「んんんんんんんんんんんんんん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」




 頭に激痛が走る。もう1000回目ともなると流石に痛みにも慣れてくるが、痛みに耐えている間は立つこともできず、痛みが治まるまで蹲っていた。



 だが、今日その痛みから解放された。





《スキル『苦痛耐性』を獲得しました。》





「よっっっしゃああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」



 嬉しさのあまり思わず叫んでしまったが、今は夜。2人とも寝静まっている時だったがライトの叫びを聞いて2人とも飛び起きてしまった。



「どうした!ライト!何かあったのか!」



「ライトどうしたの?怖い夢を見たの?」



「だいじょうぶ、なんでもない。パパママ、おこしてごめんなしゃい」



「ううん、大丈夫よ。怖くなったらいつでも一緒に寝てあげるからね。」



「うん、ママありがとう」



「何かあったらすぐにパパを呼ぶんだぞ」

 


「うん、パパありがとう」



「「ライトおやすみなさい」」



「パパママおやすみなさい」



 

(嬉し過ぎてつい叫んでしまった、危なかった〜ステータスすぐ閉じたけどギリギリだったな。次からは気をつけよ。それよりも新しいスキルの確認だな。)




(『ステータスオープン』!!)





【名前】ライト   【年齢】1歳

【レベル】1 【職業】無し

  

 HP : 33 MP : 197


【体力】10 【筋力】10

【速度】11 【耐久力】8

【器用】7 【知能】120


[ユニークスキル]

 静電気Lv6


[スキル]

  苦痛耐性Lv1


[職業専用スキル]

 無し


[EXスキル]

 最強道LvMax


[ユニークスキル]

 静電気Lv6 29,227/1,000,000

 微弱な静電気を起こすスキル

      消費MP 1 クールタイム0,8秒 


[スキル]

 痛覚耐性Lv1 0/10,000

 痛みに対する耐性を上げるスキル。

        

 


( ………。ん〜〜〜もっちょい詳しく書いてくれると嬉しいんだけど…。結局やってみないとどのくらい痛みが軽減されるのか分からないな。)



(でも、やっぱりスキルを獲得するには1000回が条件だと分かったな、たぶん日常的に行っているものがスキルになり、それに補正をかけるって感じかな。スキルレベルを上げるのはユニークスキルと比べるとかなり苦労しそうだ。)




 そして数時間後、全魔力を消費し、スキルの効果を確認したが、以前と比べ劇的に改善したことがわかった。多少の痛みはまだあるが、平然を装える程には耐えられるし、頭痛が治まるのも早くなった。ライトにとって十分嬉しい成果であった。




 ライトは今まで頭痛の治りが遅かったこともあり、ステータスのフィジカル的な部分はあまり鍛えられなかった。だが、今回その悩みが改善されたので、身体も鍛えていこうと考えていた。既に1歳5ヶ月なので歩くことは出来るが、走ることはあまり出来ないので、まずは走れるようになろうと考えていた。




 そんな事を考えている時、家のあるものに気がついた。それは鏡である。ライトは生まれてから1度も自分の顔を見た事がない。



(今まで魔力増強に集中しすぎて自分の顔なんか気にしたことなかったな。)



(鏡以外にも家には結構たくさんの物があったんだな。そういえばパパ……じゃなくてジャンがくれたおもちゃもあったな、今度使ってみよう。てかすっかりパパ呼びに慣れてしまったな…。まあ実際パパだから良いんだけどさ。じゃあ早速自分の顔でも見てみるか。)



「ママ、鏡とって!」



「鏡で何するの?」



「お顔見るの!!」



「あら!じゃあ一緒に見ましょ!」



 喋るとき子どもになりきってしまうのはさて置き、自分の顔を見てみると、紅い瞳を持ち、髪色が黒…青…?といった一言では言い表せない色をしていた。一瞬、黒だと思ったが、よく見ると青みがかっている。1年ほど前にゴルドさんに珍しい髪色だと言われたが、元日本人の俺からしてみれば鮮やかな髪色をしているジャンやルミエの方がすごい髪色だと思う。

  


 そして、顔はというと1歳にして既にパーツが整っている。ジャンもルミエも美男美女と言って良いほどの綺麗な顔立ちをしているので、期待はしていたが、実際見ると予想以上である。これが自分の顔であることが信じられないレベルであった。どちらかというとルミエ似のような気がした。




「ライトのお顔はとっても可愛いのよぉ〜!ライトはママ似だっていろんな人から言われるから、ママは嬉しいわ!」




「ライトの髪の色はあまり見ないけど、ライトに似合っててとっても格好良いわね!」



(やっぱり珍しいのか。ていうか、普通髪色って親に似るんじゃないのか?この世界は違うのかな。それにしてもルミエは機嫌が良いな。何かあったのか?)



「ママ今日元気だね!」



「ええそうね、ライトにお願い事されるのは初めてだったからつい嬉しくなっちゃったわ!」



(そっかぁ…。俺魔力上げに必死になってたから……。)



「ライトはもっとママ達にお願いしてもいいのよ…。ライトは他の子よりも賢いわ…。でも、まだ子どもなんだからママ達にいっぱい頼りなさい…。」



(俺が何かやってるのも気づいていたのかもしれないな…)



「うん、分かった。ママありがとう。おれ……僕もっと走れるようになりたい!ママも一緒に練習しよ!」



「ええ、いいわよ!じゃあお家の前でやりましょうね。」



「うん!!」



 今は冬。気温は寒く、雪も毎日のように降っている。だが、この村には雪は降らない。推測するに結界のようなものが張ってあると考えられる。誰かがやっているのか、それともそのような道具があるのかは分からないが、そのおかげで冬でも外に出ることができる。



 外に出ると村中の人達で何かの作業をしていた。まるで祭りの準備でもしているようだ。何故か広場の中央に大きな円形の花壇が造られていた。何かを植えるのだろうか。




「ママ、皆んな何の準備してるの?」




「あれはね創星祭の準備をしてるのよ。新しい年の始まりを皆んなでお祝いする日なの」




「じゃあ広場の真ん中にあるのはなに?」




「あそこには天空の樹を植えるのよ。天空の樹は神様が残した木って言われてるのよ。街や村の中央に植えると、神様がそこの住民達を守って下さると言われているわ。この村は新しい村だったからまだ植えてなかったけど、もう安心ね」




「へぇ〜、神様の名前はなんていうの?」




「フレイ様って言うのよ。フレイ様は創造神様であり、豊穣の女神様でもあるの、だから明日は天空の樹を植えたら、木を祀って御供物をしたりするのよ。そして皆んなで今年も幸せに暮らせますようにってお祈りするのよ」




「なるほど〜」



(やっぱりフレイか。確かに髪色も緑だったし豊穣の女神って感じする)




「豊穣の女神だから作物がいっぱい取れますようにってお祈りするんじゃないの?」




「え、あ、そ、そうよ…、来年からは開拓した土地で作物を育てるからね…。ライトは本当に賢いのね。まだ1歳とは思えないわ。そういえば普通に説明しちゃったけど理解できたのね……。」



(やべ、少し素が出ちまった、このままだとボロが出そうだな。話題を変えよう)

 



「ママ!早く走る練習しよ!」




「あ、そうだったわね、ママは少し離れるからママのとこまで走ってね、転ばないように気をつけるのよ!」




「うん!わかった!」




(創星祭とか天空の樹とか分からないことがたくさんあるけど、また今度聞くとするか)







 翌日。昼過ぎ頃、村中の人達総勢100名ほどが広場に集まった。




 苗木を植える作業が終わると、神官のような人が1人木の前に片膝をつき跪くと、他の人も同じように片膝をつき、両手を握り祈りのポーズをした。すると、神官のような人が何かを言い始めた。




「この村の繁栄と私たちの幸福を祈願し、フレイ様に祈りを」




「「「「この村の繁栄と私たちの幸福を祈願し、フレイ様に祈りを」」」」




 村の人々がその言葉を復唱し終わると、苗木が輝き出し、少しずつ大きくなり、最終的に5メートル程まで成長すると、輝きもなくなった。



(神が残した木と言われるだけの事はあるな。祈りを捧げる事で大きくなる木なのかな?)



 そんな事を考えているといきなり聞き覚えのある声が聞こえてきた。




(「久しぶり〜!フレイだよ〜、ライト君聞こえる〜?」)



(「え。ええええぇぇぇぇ!!!!」)


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