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第3話 ステータス

(え。ええええぇぇぇぇ!!!人間の力じゃねー!これ絶対魔法かなんか使ってるだろ!身体強化か何かか?やばすぎだわ…)




「おい、ジャン!お前1人で大丈夫なのか!」




「ああ大丈夫だ!このくらい任せろ!」




「奥さんと子どもが見てるからって張り切りすぎんなよ!!」




(流石に余裕ではなさそうだな…結構辛そうだ)




 無事運び終えると皆んなで解体作業が始まった。あんな大きなものを解体するのは時間がかかるだろうと思ったが、10人ほどで解体しているとはいえ、あまりにも異常な速度で解体していく。



 

(絶対なんかしらの魔法は使ってるな。やっぱり魔法はあるんだ。これが分かっただけでも大きいな、今後も魔力増強できるように頑張るぞ!)




「ジャン、お前また強くなったんじゃねーか?」



「そうか?前からあのくらいのやつなら持てるぞ」



「まあ何はともあれ今年の冬までに食糧を貯めれそうだな」



「そうだな」



 今は9月中旬だ。12月になると雪が降り始めるため、狩りにもいけないし、買い出しにもいけないらしい。だから今のうちにしっかり食糧を蓄える必要があるのだ。そのためいつもは仲間ごとに集まって冒険者活動をしているが、1ヶ月に5回ほど村の中で戦える者を集め狩りをしているらしい。





 この後ジャン家とゴルド家、一緒に夕飯を食べることになった。



 その最中に聴いた話なのだが、この村はアレク村といってエメラス伯爵領にある。




 アレク村の隣には広大な森があり、その森を開拓するためにこの村は作られたらしい。なんでも森を毎年、目標の場所まで開拓していく代わりに毎年ある納税は無しになるという。10年で開拓が終了するという話だ。



 もちろん森には魔物が多くいるため、危険ではあるが、毎年納税がギリギリだったジャン達にとってはこの村に住む以外の選択肢はなかった。 



 しかし、ジャンやゴルドを筆頭に腕に自信のあるものが集まったおかげで魔物の討伐も今のところ危なげなく行えているという。




(なるほど、南にあった石垣も魔物から守るために作られたのかな。見えなかったけど南には森があるってことか)




 南の方だけ家の2倍ほど高い石垣があるが他は村を囲むように木の柵が張ってあるだけである。木の柵といっても思ったより頑丈そうで高さも3メートル程はあった。




(ちょっと心配だけど、魔物は森からほとんど出てこないって言ってるし、大丈夫かな)



 この度の夕食会はジャンとゴルドは酔い潰れ、またルミエとクリスさんは楽しそうに話をしていた。



(やっぱりまだ18歳の女の子って感じだな)

 


 今日は外に出られたし、初めての魔物も見れた。また、ルミエの女の子らしい一面も見れてとても有意義な1日であり、異世界にいることを再確認させられる 1日であった。




 それからさらに1ヶ月が過ぎた。


 まだ生後2ヶ月ではハイハイなどもできないので、寝てるときとおっぱいを飲んでるとき以外は結構退屈であった。


 今日は俺が生まれてから初めての父ジャンの休みである。母ルミエは俺の世話をするために常に家にいる。作った服も売りに行くのは父ジャンであった。



 今はジャンに抱っこされている。めちゃくちゃ変顔をして笑わせようとしてくるがあまり面白くない。


 だが、流石に笑わないのも可哀想なので笑ってあげるとさらにやってくる。悪循環である。 


 そんな他愛もないことをしていると、今まで聞いたことのない言葉が飛んできた。




「なぁ、ルミエ、お前が作る服前よりも丈夫になってる感じがするし、スキルレベルが上がったんじゃないか?」




(な、なんだスキルレベルって!!まさかこの世界はゲームのような世界なのか!?)



「そうね〜、見てみるわ。『ステータスオープン』」



(ええええぇぇぇぇ!!!!なんか透明な板みたいなのが出てきたー!!!右手の甲に模様が出てきて、その模様が光ってるぞ。英語のSとTを合わせたような模様をしているな)



「ほんとだわ!1つレベルが上がってる!!」



「どれ、見せてくれ」



(お、近くで見れそうだぞ)





【名前】ルミエ  【年齢】18

【レベル】 1 【職業】裁縫師

【生産レベル】22

 HP : 112 MP : 1456


【体力】40    【筋力】31

【速度】28 【耐久力】33     【器用】1520 【知能】54


[ユニークスキル]

 操糸Lv5


[スキル]

 料理Lv 2 洗濯Lv 2 掃除Lv 2


 裁縫Lv 3


[職業専用スキル]

 裁縫超加速Lv 3 糸強化Lv 3→4 糸生成Lv 4





(すげぇ…こんなものがあったなんて、職業とかもあんのかぁ、てかユニークスキルって前世の知識だと持ってるだけでも凄いやつじゃない?この世界は違うのか?MPって魔力だよな?MPと器用だけほかより全然高いし、わからない事が多すぎるな)



(服を作るときに毎回「糸強化」とか、「糸生成」とか呟いていたのはやっぱり魔法だったのかぁ)



「ほんとだ、糸強化のレベルが上がってるな。毎日いろんなもの作ってるもんな」



「ええ、私の夢は服屋を開いて私が作った服をたくさんの人に着てもらうことだから。そのためにも頑張らなくちゃ!」



「次は裁縫超加速のレベルを上げるのか?」



「そうねぇ…結構魔力の消費が激しいけど1つレベルが上がればそれもかなり抑えられるしレベルが上がるまでの辛抱ね」



「じゃあ何か1つ作るとこを見せてくれないか?」



「ええ、いいわよ。糸を生成してと」



 みるみるうちに掌の上に赤、黄、青などさまざまな色の糸が生成されていく。



(いつも糸はどこから出してるのかと思っていたけど、まさかスキルで生成してるとは思わなかったなぁ)



「久しぶりに裁縫超加速を使うわ、ちゃんと見ててね」



『あ』っという間の出来事だった。いつもは布を作るために機織りをしているが、今回ははたを使わずに手だけで布を織り、服を作ってしまった。普段の服作りも異常な速さであったが、比べ物にならない速さである。手の動きも目で追うことができず、時間にして約10秒。しかも1つだけではなく、赤ん坊の服と冬物のコートの2つを作ってしまった。



「あ、相変わらずすごいな…、ライトも驚き過ぎて目がまん丸になってるぞ…」



「ユニークスキルの操糸も使えば一遍に何個も作れるわよ!でも操糸も結構魔力を消費するからやっぱり裁縫超加速のスキルレベルを5まで上げて消費魔力を減らすのが先決よね」




(いや〜驚いたなぁ…、スキルレベルを上げると消費魔力が減るのか、やっぱりMPは魔力だな。てかステータスなんてものがあるなら早く教えて欲しかったぞ)

  


「次はあなたのステータスが見たいわ」



「ああいいぞ、前見せた時よりもだいぶ上がったからな、『ステータスオープン』」




【名前】ジャン   【年齢】19

【レベル】20  【職業】剣士


 HP : 1075 MP : 244


【体力】1475    【筋力】1516

【速度】456    【耐久力】405

【器用】328    【知能】143


[ユニークスキル]

 剛力Lv 3


[スキル]

 剣術Lv5 短剣術Lv2 解体Lv2


[職業専用スキル]

 ソードアタックLv3 二段斬りLv5 飛斬Lv5


 



「レベル20になったのね!スキルレベルも全体的に上がってるわ!強くなるのは嬉しいけど、無茶しすぎないでね」




「ルミエは心配性だなぁ、この村に来てから魔物を倒すことも増えたけど、皆と協力してやってるから大丈夫だぞ」




「そうだけど、いつも心配してる事は忘れないでね。あなたがいなくなったら私たちは生きていけないわ…」


 

「ああ、分かってるさ、心配してくれてありがとうな」




(相変わらずラブラブだな…、それよりもジャンのステータスはめっちゃ高いな。やっぱり戦闘職は違うな。レベルもたぶん魔物を倒す事で上がるんだろう、そうじゃないとルミエがレベル1なのがおかしいからな)




「ええ、戦争もいつ起きるかわからないし本当に心配だわ…」




「7年前に大規模な戦争があったけど、その時に魔王軍もだいぶ消耗したみたいだし、あと20年ぐらいは安心さ。親父達が頑張ってくれたからな…」




(そういえば魔王がいるんだったな、すっかり忘れてた)




 ジャンの話では魔王軍の侵攻は100年ほど前に1回目の侵攻があり、それから毎年のように攻めてきているという。そして、大規模な侵攻が20年から30年に一度あり、7年前の戦争が4度目の大きな戦争だった。


 その時には平民にも召集がかかり、戦闘職の人はほとんど戦争に行った。4度目の戦争にはジャンの父親と母親も行き、2人とも帰らぬ人となってしまったという。




(なるほど…もうちょっと詳しく知りたいけど今はまだ生後2ヶ月だしな。もっと大きくなってから考えるか)




「早くライトのステータスも見てみたいわね」


 

「そうだな、ライトがどんなユニークスキルを持ってるか楽しみだ!俺たちの息子だからな、きっとすごいユニークスキルを持ってるぞ!」



「私は生産職向きのユニークスキルの方が嬉しいわ、ライトには危ない所に行って欲しくないから…」



「でも男って生き物は強さを求めるものなのさ、俺だって昔は物語の英雄に憧れたしたな。」


「まあ、大きくなってからのお楽しみだな!」



「そうね、待ち遠しいわね」



(ふっふっふ、2人が寝静まった頃にでも確認してみるか)

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