第11話 チンピラ3人組
ファナもEXスキルを獲得したが、このスキルの効果もすごい。スキル経験値2倍もすごいが、やはりステータス上昇系の効果はとても有効だ。
ファナのユニークスキルもステータス上昇系だが、もしもこの2つの効果が重複するならば、2倍以上ステータスが上昇することになる。ファナには抜かれないようにと毎日頑張っていたのだが、こんな形で抜かれてしまい、正直悔しい。
「ファナの新しいスキルすごすぎるよ…、俺もう組み手ではファナに勝てそうにないや」
「そうなの?よくわかんないけどやったー!」
「あとその、SPって何なんだろうな」
「たしかにステータスにSPなんて無いよ?」
色々試してみたがSPの詳細は結局分からなかったので保留にした。
ファナの新しいスキルの確認をしたあとは特訓を終わりにして解散になった。
それからというもの俺は前よりもさらに特訓の量を増やしてファナに負けないように頑張るのであった。
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数ヶ月後。ファナは4歳になり、俺ももう少しで4歳になる。あれから毎日欠かさず特訓をしてユニークスキルを使っていないファナとならなんとかまだ渡り合えている状況だ。
ファナも俺が初めに言ったユニークスキルを毎日4回使うという言いつけをしっかり守ってくれたおかげで魔力が100にまでなった。
だが、魔力100以上になるためには頭痛と戦わなければならない。正直言ってあの頭痛を耐え続けるのは子どもには無理だと思うのでこれから魔力上げを続けるか否かはファナ自身に決めてもらうことにした。
そのため今日はあえて頭痛を受けてもらうことにしたのだ。
「ファナ、今日はちょっと、いやかなり痛いよ、準備はいい?」
「ううん…、がんばる…」
「やっぱり、怖い?」
「うん…」
「無理してやんなくてもいいけど…」
「大丈夫、やってみる…」
「分かった、ファナ、頑張れ」
「うん、いくよ『限界突破』」
「100秒後だ、100秒後に頭が痛くなるんだ」
「うぅ〜…こわい、ライト、手握って…」
「あぁ、分かったよ」
そして、遂にその時が来た。
「ああああああああぁあ!!!!!!!痛い、痛いよぅ…うぅ〜…ぐすっ…」
「もう大丈夫だ、よしよし」
(やっぱりこうなるよなぁ…ちょっと悪いことしたみたいで、罪悪感が…ごめんよファナ)
この後、1時間はずっと泣きっぱなしで特訓どころではなかったので今日は休みにして、2人でのんびり過ごすことにした。たまにはこういう日があってもいいだろう。
「ファナどうだった?」
「もうあんなに痛いのはいや…」
「そっかぁ、まあしょうがないな、これからユニークスキルを使うときは60秒〜80秒ぐらいにするんだ。魔力がなくなるまで使うとまた頭が痛くなるからな。」
「わかった…、でももうユニークスキル使いたくない、こわい…」
「使わなくてもいいけど、俺みたいに強くなれないぞ」
「うん〜…わかった、私がんばる…、ライトがいつも一緒にいてくれるから大丈夫…」
「ああ、そうだな」
(ファナもこの1年で強さもだけど言葉もちゃんと喋れるようになったなぁ、やっぱり【知能】を伸ばしたからだな、前世じゃあり得ないけど、この世界はこのくらいの成長速度が普通なのかなぁ、でも周りの子どもはまだ子どもっぽいしな、やっぱりステータスがあるからかな)
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そして時は流れ、俺たちは5歳になった。
5歳になった俺とファナはそこら辺の大人たちよりもステータスが高くなってしまった。
俺たちと同い年の3人組が一度、子分になれなど意味わからんことを言い出したので、少し懲らしめたのだが、弱すぎてびっくりした。それほど俺たちは強くなったのだ。
だが、変わったのは俺たちだけではない。村もさらに大きくなり、うちの家の隣にはルミエの夢でもあった服屋もオープンした。ルミエの服屋は初日から大盛況で本当に大成功だ。
この売り上げだと服を作る方に時間が必要になるため、近々、従業員を雇うようになると言っていた。だが、雇う理由はそれだけではない。
うちに家族が2人増えたのだ。名前はナイトとミリア。俺に双子の弟と妹が出来たのだ。
ナイトは髪の色は水色でルミエと同じだが、ミリアの髪の色は真っ赤でジャンと同じだ。2人とも目がパチクリしていて、将来は絶対美男美女だろう。まあどちらにせよ今は2人ともすごく可愛い。
2人は去年の10月に生まれたため、2人とももう少しで1歳になる。最近は少しずつ歩けるようになってきてルミエもお世話が大変そうだ。
「にいに、あそぼう」
「あそぼう」
「ごめんな〜、これから特訓なんだ、夕方には帰ってくるからな」
そう言って俺はファナと特訓しに行った。
ファナにも妹が出来たらしく、うちの弟と妹と同い年だ。名前はニーナ。一度見たが、ゴルドさんと同じ茶髪で、顔はクリスさんに似ているので美人になりそうだ。
ファナもクリスさん似でとても可愛い。俺が言うのもなんだが、ファナもニーナもゴルドさんのようにゴツい顔にならなくて良かったと思っている。
それはさておき、今日も特訓していると、また性懲りも無くあの3人組がやってきた。
「おいっライト!この間はまぐれで俺たちに勝てたようだが、今日はそうはいかないぜ!覚悟しやがれ!」
「そうだそうだ!今日の俺たちは前とは違うんだな!」
「謝るなら今のうちだぞ!うっひひひ」
(はぁ…。めんどくせぇなぁ)
こいつらは去年この村に引っ越してきた奴で3人とも同郷らしい。
ちなみに真ん中の縦も横もでかくて偉そうにしてる奴がトール。まるで前世の人気アニメに出てくるジャ◯アンのようだ。右のヒョロガリがレミール。左のチビの栗頭の奴がナッシュだ。
「おい、今特訓中だから帰ってくれ、特訓の邪魔だ」
「うるせー!今日はこれを持ってきたんだ」
そう。今日は3人とも武器を所持していたのだ。ヒョロガリと栗頭は普通の木剣だが、ジャ◯アンは棍棒のようなものを持っている。
「武器を持ってきたからって俺に勝てると思っているのか?」
「ふんっ、俺様のユニークスキルは武器を強くするスキルなんだ!武器を持ってる俺様には勝てねーんだよ!」
武器は単純に所持すれば強くなれる。これは前世でもこの世界でも同じことだ。
だが、この世界では武器を所持するとステータスにその武器が所持者にどのような恩恵、または影響を与えるか、簡潔に言えば武器を所持した時どのくらい強くなるかが書かれているのだ。
たぶんトールのユニークスキルは武器が所持者に与える恩恵を高めるスキルなのだろう。
「なるほどな、当たったら死んじまいそうだな、でも当たらなければ意味はないよな」
「なんだと」
「おいおい、お前ら、この間俺に一発も当てられなかっただろう、覚えてないのか?」
「くそ、ごちゃごちゃうるせーんだよ!お前らいくぞ!」
「もう謝っても遅いんだな!」
「うっひひひひひ!」
そう言うと3人が一斉に突っ込んできた。
「ファナは後ろに下がってて、すぐに終わらすよ」
「うん!じゃああっちで待ってるね!」
「おう、了解、さぁ3人まとめて倒してやるよ」
勝負は1分も掛からずに終わってしまった。まあ予想通り俺の圧勝だ。
「くそ、なんで当たんねーんだ…、お前ら帰るぞ…、次はぜってぇボコボコにしてやるからな、来年職業をもらったときは覚悟しとけ!」
そう言って3人は足をひきづりながら帰っていった。
「ファナ〜終わったよ〜」
「流石ライト、早かったね!」
「ファナでも余裕であの3人に勝てるよ」
「そうかなぁ」
「そうだよ、組み手では俺より強いんだからさ、ファナはきっと来年の神託の儀ではすごい職業をもらえるよ」
「私がすごいなら、ライトはもっとすごい職業がもらえるかもね!」
「それは言い過ぎだよ…、もう来年かぁ、もらえる職業によって将来が決まるようなもんだよな…」
「私、将来もずっとライトと一緒にいたいな〜、えへへ」
「何言ってんだよ、将来なんてどうなるか分かんないぞ、もしファナだけすごい職業もらって、俺が弱っちい職業とか生産職だったらどうするんだよ…」
「それでもいいよ、ライトと一緒にいるのは楽しいんだもん!でもライトならきっと大丈夫だよ、良い職業もらえるよ!」
「そうだといいな…」




