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思い出話  作者: いつかの彼女
変化
8/15

最低な告白

 そうしてそんな関係が、遠距離であっても彼にバレないわけがなく、とうとう大好きなはずの彼の耳に入ることとなった。



 馬鹿正直な私は、彼に全てを告白したのだ。



 彼の耳に入る少し前、私が彼に依存しすぎる程に大好き過ぎて、苦しくて仕方ない。そんな話を伝えていました。

 優しくて心の広い彼は、そんな私へ、出会った時のサークルでの思い出話をしてくださった。


 同じ夢を抱いていた私たち、同じ道を歩んでいたはずなのに、何処かで道をそれすぎてしまってた、だからもう一度修正しなきゃ。



『お互い好きなようにしよう』



 冷静に聞ける心であったなら、私は道もそれずに素直に『本当にそうだね』と言えていたのに。


 もう彼なしでは生きられないと思い込むほどにのめり込んでいた私は、ちょっと歪んでしまっていて、その言葉が私との距離を置きたい、離れたいというマイナス思考にしか受け取れず、絶望の渦に勝手に飲まれていた。



 全く私の話に取り合って貰えず、なのに彼の話を聞かされるようになった電話。



『ねえ聞いて!』



 そんな言葉も言えないくらいに……聞いて貰えないほどに、週に1度に減った電話や最低限のメールになってしまって。


 我慢していた子どもみたいな私の心が折れてしまった。



『今、私には優しくしてくれるもう1人のあなたがいます』



 普段、私からのメールも電話も気分が乗ってきたり、仕事の休憩時間じゃないと返信もしなくなってきてて、だんだん貴重な連絡手段になっていたそれが、本当なら喜ぶほどに大量のメールが届き始めました。



 それは怒りに満ちたメール。

 怒鳴り散らし罵詈雑言をこれでもかとちりばめられたそれ。


 元々自分は喧嘩体質だとはなしてはおられた。

 だからこそ次々送られてくる酷すぎる言葉たち、文字たち。


 幾度となく私の想いを伝えても、最早彼の耳にも目にも届かなくて、一切話を聞いて貰えなくなってしまった。





 ここへ来てやっと彼が、私を見てくれたのじゃないかと気付いて、今やっとちゃんと私を見たのかと思って。


 やっと……やっと見てくれたのが、こんな結果になってからなのかと。


 情けなくも嬉しいのか。

 ここまでこないと私という人間を見てなかったのかと、気づいてしまって。



 彼が言い続けてくれていた『信じて』『愛してる』『大好き』は、私のそれとは違ったんだと思い知らされた気がしてーーーー。



 それほどまでの罵詈雑言のメール、一方的な電話に私の精神は崩壊したのでした。

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