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第2話 スローライフ♪

「たった3年なのになぁ……」

 トボトボと歩いていると広場に差し掛かる。


 広場の池の前に腕をくんでイライラしながら人を待ってる風の女性の姿があり、その女性に息を切らせて駆け寄り一人の男が声を掛ける。


「ごめんね!待たせちゃって」


「おーそーいー!! 30分遅刻だぞ! この30分でも私の気が変わってマーくんの席がなくなっちゃうかもしれないんだよ?」


「ほんとごめん。仕事が片付かなくて……」


 そんなカップルのやりとりが耳に入ってくる。

「やっぱり3年は長いか……」

 ポツリと呟く。


 3年もあれば気も変わるか……引き留めてもくれてたし、元々は俺のわがまま、身から出た錆だし仕方ないか……


 気を取り直してギルド管理組合にでも行って新しいギルド探そ……


 ということで広場の近くにあるギルド管理組合にやってくる。


 ギルド管理組合はその名の通りに各ギルドの取りまとめを行っているところでここでクエストを受けたり、ギルドメンバーを募集したりすることができる。


 管理組合の建物の中はもう昼すぎということもあってか、人はまばら。


 黒髪のボブカットでカウンターの向こう側に座るお姉さんに声を掛けてくる。


「ギルド管理組合になにか御用でしょうか?」


「あ、はい、加入できるギルドを探しているんですが」


「加入ですね。あなたのジョブは何ですか?」


「格闘士です」


 そういうと一瞬表情が曇る。


「格闘士ですか……最近、アタッカーの募集も少ない上に格闘士となると……」


「そうなんですね……」


「あ……1つありました」

 そういって受付のお姉さんは紙を一枚カウンターの上に出す。


 そこには女の子っぽいかわいらしい文字でこう書かれている。


 ギルド名:スローライフ♪

 募集人員:1名 

 募集ジョブ:アタッカー全般 

 ギルドの活動方針:名前の通りのんびりまったりギルド活動したいです。ギルドメンバーもみんないい人ですよ。これを読んでるそこのあなた! もうあなたは私たちのギルドの虜ですね! ギルドメンバーでみんなで楽しくレッツ♪ スローライフ♪


「……募集はこれだけですか?」


「……はい……」


 どうしよう……


「どうされますか? もう少し待たれたらいいギルドが見つかるかもしれませんが……」


 このギルド、人は悪くはなさそうだし、この3年間修業でずっと体をいじめてきたからこれぐらいゆるいギルドでのんびりするのもいいかもしれないな。


「ここで見つけたのも何かの縁だとおもうのでこのギルドでお願いします」


「はい。わかりました」

 受付のお姉さんはそういうとスローライフ♪のギルドハウスがある住所を書いた紙を渡してくれる。


「ありがとうございます。そういえばここってギルドの活動履歴とかって閲覧したりできるんですか?」


「ええ。スローライフ♪の活動履歴ですか?」


「いえ、フレイムってギルドの活動履歴をちょっとみてみたいかなって」


 俺が抜けたあとみんなはどんな冒険をしてきたのかちょっと興味があった。


「分かりました。少々お待ちを……」

 受付のお姉さんは奥の方に入っていく。


 数分まつと一冊の本のようなものを持ってくる。


「これがギルドフレイムの活動履歴ですね。なかなかリーダーの方がマメで記録がしっかり残ってますよ。持ち出しはできませんので当館内でお読みください」


「ありがとうございます」

 その本をもって、カウンターを離れ待合にある椅子に座って読み始める。


 3年前……3年前……あった……


 ×月10日 格闘士アイゼン脱退

 そうこの日だ俺が脱退したのは……


 そしてページをめくる。俺はわが目を疑う事実を発見する。


 ×月11日 陰陽師シン加入


 え……これ俺が脱退した次の日じゃね?……


 ページを戻る。


 ×月10日 格闘士アイゼン脱退


 ページをめくる


 ×月11日 陰陽師シン加入


「はああああああああああああああああああああああああああああああ?????????? なーにがお前の席は空けとくだ!! 俺が抜けた翌日じゃねぇぇか!! ふっざけんじゃねぇぇぇぇよ!!」

 周りの視線が俺に一気に集まる。


 無意識に声がでてた……


 でかい声を出したことに対してペコペコを周囲に頭を下げ


 もう一度活動履歴に目を落とす。


 ほんと意味わかんねぇぇぇぇ!!! もう絶対許さん!! あいつら絶対ゆるさねぇぇぇからな!!!


【お願いします】

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