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第一夜 ①
春。
春休みが明け、進級式が行われた。
私の記憶が正しければこの日、ゲームの主人公であるリチア・マーガレットが転入してくる。そして、クラス分けでエラは彼女と同じクラスになる。さらに、式の後、教室に戻ったとき繰り広げられるのは“灰かぶりのエラ”に対する春休み明けの虐めだ。
このイベントは本編でのエラと主人公の接触イベントにあたる。このイベント後、エラは主人公の従者でもあるかのように身を粉にして尽くすこととなる。だが、そんな人生はまっぴらごめんだ。何故、誰かの為に自らの人生を犠牲にしなければならないのか。ともすればこのイベント、回避するのみである。
結局、魔法の腕も上達しなかったのだから。