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転生先は灰かぶり  作者: 紗吽猫
プロローグ
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プロローグ ⑤

しん…と静まり返った旧校舎は木造な為か歩く度に軋む音が響く。エラは周囲を見渡してふと何か引っ掛かるものがあった。


…旧校舎…?そういえば旧校舎って…何かイベント無かったっけ?


旧校舎が舞台のイベント。かつてのシナリオを思い出す。そういえばこのゲーム、攻略対象は五人で幼馴染、後輩、先輩、同級生、教育実習生とタイプが分かれてて種族もハーフエルフや天使だったりと実は、な正体持ちがいたのが特徴。ただ、確か、対象は五人だけではなく後一人いたはずだ。


「えっと…確か五人の攻略が終了した時点で解放されるシナリオで…分岐が春の模擬試験イベントの後……」


攻略対象五人それぞれのいづれかのENDをひとつは見ていると解放されるシナリオがある。そうシークレットキャラクターの個別シナリオだ。そのキャラクターとの最初のイベントがこの旧校舎、地下にある研究室で起こる。


「そっか…確か、旧校舎ってイベント発生時しか中に入れないんだったわね。あれ?でも今はまだ春休み期間のはず。イベントは起こらないはずじゃ…」


そう考えながらエラはイベントが起こるはずの地下研究室に足を運ぶ。


「あった…ここだわ」


地下へ降りた先にあった扉。特にプレートもなく本当に研究室なのかは定かではなかったが他に扉もないので入ってみることにした。

ギィ…。扉には鍵も掛かっておらず少し扉が錆び付いていたが力一杯押せばゆっくりと開いていった。


…ここが…。六人目の攻略対象がいる場所…!!


うっすらと青緑に光る研究室。ホルマリンに浸けられた瓶やパソコン、研究道具が散乱している。およそ今も使われているように見えないが…。

エラは周囲を観察しつつ部屋の奥に入る。この部屋の何処かにいるはずの人物を捜して…。


ムギュ。


…ムギュ?


何だか柔らかいものを踏んだ気がして恐る恐る足元を見てみる。そこには何かの生き物の尻尾のようなものが。蜥蜴…にしては大きすぎるような…。


「グルルルル…」


威嚇するような声が聞こえ、視線を足元から声のした方へ移す。そこには…。

剥き出しの牙、大きな爪、折り畳まれた翼。長い尻尾に頭から生えた二本の角。その姿を目撃したエラは咄嗟に叫んでいた。


「きゃああああああああドラゴンんんんん!?!?!?」


ゲームでこそ当たり前のように見ている存在だが、こうして目の前で実物を見るのは初めてだ。その上、どうやらその尻尾を踏んでしまったようだ。ものすごく身の危険を感じた。


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