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転生先は灰かぶり  作者: 紗吽猫
サブイベント~エラの過去~
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第十四夜 ①ー4

最終イベントに向かう前に起きたのはエラの魔女完全覚醒イベントだ。この後にエラは魔王城へと姿を消す。ゲームでは魔王城でのシーンはほとんど描かれなかったが、エラ自身の視点となると魔王城でのやり取りは必須だろう。相手の情報は多いに越したことはない。


色々と細かなところでは原作とは違う流れがみられるが、大きなところではその流れは変わっていない。学年最初の試験も、林間学校も夏休みイベも変わらず起きている。この後に控えているのは学園祭イベと最終イベントとそれに関連するイベントだ。どう過ごすかが変わってもイベントそのものを回避は出来ない。


「最終イベントのことか?」


アイザックが小声でそう聞いてくる。


「ええ、エラの記憶がない以上、魔族について深くはわからないもの。調べられるだけ調べて対策をたてたいわ」


「だな」


アイザックは頷くと、


「なぁ、こいつは魔族について。俺は魔女について調べたいんだが…案内してくれないか?」


と、キースにお願いをする。


「ここに連れてきたのだってそう言うことなんだろ?」


アイザックに指摘されてキースは頷いた。


「魔女を浄化したと言っても消滅したわけではないからな。対策を立てられるように情報は共有した方がいいと判断した」


「でもキース?騎士団の情報は口外してはいけないのでは?前もそう言っていましたよね。いいんですか?」


「ああ。大丈夫だ。兄にも話を通してある」


…え!?それってどういうこと!?私の事話したの!?


エラは話を聞いて思わずキースをガン見したが、それに気付いたキースは相変わらずの硬い表情のままフォローを入れる。


「安心してくれ。お前の事は話していない。ただ、俺が一度魔女と交戦したこと、その際にリチア達もその場に遭遇した旨を話しただけだ」


「そ、そうですか…。それなら構いませんけど…」


一抹の不安が拭えないがここは彼を信じることにする。


「では、始めよう。魔族はあちらの棚、魔女に関してはこちらだ。俺が取り出すからどの本がみたいか教えてくれ」


キースにそう促されてエラ達は各々見たい本棚へと向かった。





「なぁ、エラ。これ見てみろよ」


そう声を掛けられたエラが振り向いてアイザックのいる机の方を見てみるとそこには何やら大きな紙を広げて食い入るように眺める彼の姿があった。声に反応したリチアとキースもアイザックの側にやって来る。

集まった面々にアイザックが指差したのは蔵書のページに貼り付けられた黄ばんだ模造紙。誰かの名前の下に線が引いてあってそれがどんどん枝分かれしていきその先にまた別人の名前があり、線はさらに下へ下へと枝分かれして…。


「これ…誰かの家系図?」


エラがポツリと呟くとアイザックが頷いて答えた。


「ああ。こりゃ、魔女の家系図だな」


「!?」


アイザックの一言にエラとリチアは驚いた。よく見ると最初に書かれていたのは「原初」の文字。そしてその下には…。


「クイーン…これ、ブラッディクイーンって書いてませんか?」


リチアがそう指差して声を上げる。そこには確かにそう書かれている。


「え、これって長年保管されてきた資料なんですよね?ってことは原初の魔女がブラッディクイーンって名乗ってることは昔から知られてたってことですの?」


「正確には王宮と騎士団幹部は代々知っていた、と言うことだろう。原初の魔女以降数代わたっては媒介となった者の身元が不明なままだがここ五〇〇年の間は身元が判明している」


それを聞いたエラとアイザックは同じ事を考えた。

…じゃあ、エラ・エーデルワイスの身元も判るんじゃ…!?


改めて家系図を下に走らせる。途中、かなりの女性の名前に上から赤で斜線が引かれておりそれが何を意味するのかをなんとなく察した。その中でも斜線が引かれていない人物で最近の名前。


「これ…私、ですよね?」


行き着いた視線の先に書かれている。


“エラリア・シンディエルク”


家系図の下の方に書かれた名前の中にそれらしきものがある。他にもある中でなんとなく目についた。“エラリア”と言う名に親近感が湧いた。



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