表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生先は灰かぶり  作者: 紗吽猫
サブイベント~エラの過去~
126/166

第十四夜 ①ー3




…これは一体なんの集まりなのかしら。

リチア、キース、アイザックがキースの部屋に集まっている。こんなイベントは原作になかったので今後の展開が一切読めない。ただ、アイザックもいるのだから悪いことにはならなさそうなのが有り難い。

三人は何やら和気あいあいと話している。ぼーっとそのやりとりを眺めていたエラにおもむろに立ち上がったアイザックが呼び掛ける。


「何ボーッとしてんだよ。ほら、さっさと行くぞ」


グイッと腕を引っ張られながら立たされたエラはバランスを崩すがアイザックに支えられていたので何とか立ち上がる。


「一体、何処に行くのよ?」


「こっちだ」


話を聞いていなかったエラはちんぷんかんぷんだがそんな彼女はスルーして先行するキースにリチアとアイザックがついていく。とりあえずついていけばいいようだ。豪華絢爛な廊下の装飾を眺めながら後に続いた。





キースに案内されたのは四方八方を天井近くまで届く高さの本棚に囲まれた部屋。見慣れない文字の蔵書も所狭しと並んでいる。書斎というよりは図書室と表現する方が似合うかもしれない。


「ここは?」


エラは本棚に並んだ蔵書をきょろきょろと見比べながらキースに訊ねた。リチアやアイザックも興味津々に部屋中を見渡している。

不意に本を手に取ろうと本棚に触れようとした瞬間、バチンッ!!と弾かれてアイザックが少しよろけた。


「ーッ!!」


「アイザック!?大丈夫!?」


驚いたエラがアイザックに近寄る。彼の手を見てみるとほんのり赤くなっていた。説明を求めようとキースの方を見ると「すまん」と言った顔でこちらを見た。


「説明がまだだったな。すまない。この部屋の本棚には部外者が触れられないように魔法を施してあり、家人のものしか触れないようになっているんだ。一旦取り出した本については家人が許可した者のみ閲覧出来るようになる」


王国に仕える騎士団の家系なのだから簡単に情報が洩れないようにしているのだろうが、説明が遅すぎる。キースは少し、というかなかなか鈍い性格をしている事を改めて思い出した。


「キース、説明が遅すぎますよ!」


「すまない、リチア」


ペコリとリチアに頭を下げるがこっちとしては内心「謝るべきはそっちじゃない!」と総突っ込みを入れた。

すっかり呆れてしまったのでアイザックに視線を送ると、エラのその視線に気付いたアイザックも呆れてため息をつく。



気を取り直して、エラは改めてキース達にここに来た理由を訊ねた。それを受けてキースが説明してくれる。


「ここは王国と騎士団が管理する国庫に属する蔵書室だ。故に許可なき者が触ることの出来ないようになっている。だが、ここは一般の人間が知らない情報が山のように管理されている。もちろん、魔女の事もだ」


その言葉を聞いてエラは目を見開いた。

…魔女についても?それなら…。


「では、魔族…もっと言えば魔王についても資料がありますの?」


エラがそう尋ねると、キースは一瞬驚いたような顔を見せたがすぐにいつもにきりっとしたものになる。


「魔族…ああ、魔王に関するものもあるが…どうしてそんなものが気になるんだ?」


彼の疑問は当然で、この世界にとって悪でしかない魔王や魔族について深く知りたがる者は滅多にいない。魔族などと交戦する可能性が高い騎士団や自警団では敵を知るという事に重きを置いているので情報が集まってくる。


…つまり、これから先で起こるイベントの中で発生不可避だと思われるものの情報が集められるってことよ。絶対不可避のイベント、エラが魔王に連れ戻される話!!!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ