御社ちゃんに好かれる人、好かれない人
優しくて、好きなタイプの御社ちゃんに内定を貰うために就活生は努力する。
もちろん日頃からバイトとかサークルとかの課題活動で何かを成し遂げ、自己分析を重ねて、御社ちゃん研究をする人が最終的に良い御社ちゃんから内定をもらう
だけど、不公平にも、特別おかしく御社ちゃんから好かれる人種は存在する。
「――のことから――を学び、それを御社ちゃんで活かしたいです」
「私が求める人材にピッタリじゃない。あんた、内定ね!」
そういうのは、基本的に陽キャ、一昔ならリア充と呼ばれる人が多い。
そもそも企業に聞いたアンケートで就活生に求める能力の1位が対人・コミュニケーションなんだから、当然といえば当然だけど。
中には就活をナメまくり、遊び呆けてた人がアッサリ内定を貰うケースもある。
そして、逆に僕みたいな陰キャは……人一倍準備してても苦労したりするんだ。
「俺内定2社」
「俺8社」
「……僕はまだ泣いていないから」
「おいおい、マジかよ。NNTなのかよ。ウケるぅ!」
「自己分析が足りないんだろ。身の程を知らないんだろ」
「今、売り手市場なんだから、いくらでもヤレるだろ」
そんな人間はNNTと呼ばれてしまう。NTTじゃないよ、NNTだよ。
内々定を文字って、無い内定。要するに内定が1つもない人のことだ。
4月ならまだマシ、5月でも大手志望なら当たり前、6月はギリギリセーフ。
だけど、7月に入ってもスーツを着て就活するのはツラいし、何より嘲笑の的になる。
この売り手市場、よほど問題がなければ、御社ちゃんに内定をもらえる。そんな風潮が親の世代、そして当事者たちにも強い。本当はそんなことないのに。
やっぱり、諦めるべきなんだろうか。ブラックで好きじゃない御社ちゃんで妥協して、ひどい人生を送るしか僕の未来はないのだろうか。
……僕なんかの求婚を受け入れる御社ちゃんなんて、いないんだろうか。