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月色の砂漠  作者: チク
9/30

誘拐

 少女の水色の瞳は金色の髪の青年を見つめている。


 青年の名前はキョウ・テセティア。

 ルウの地外れの方に住んでいて、六番隊隊長。


 隊長という立場でありながらも、子どもたちに優しい。


 キョウは少女にも優しかった。

 少女は何度もキョウに魔法を注入され、幸せな気分になった。




「レン様?」

 名前を呼ばれ、少女は目を開けた。


「なあに? リゾ?」

 リゾと呼ばれた男はずっと少女を見守っていた。

「眠ってましたか?」


「ううん、あの人を見ていたの」

「キョウ・テセティアですか?」

「ええ」


「きれいな髪。暖かい魂。触れていると幸せになれるの」

「………」

 少女――レンを見つめるリゾはどこか苦し気な表情をしていた。

 そんな表情は意にも介さずレンは言う。


「あの人の、髪が欲しい。――ねえ? あの人がわたしに髪をくれたらどんなに幸せかな」




     * * *



 その日、キョウ含む六番隊はルウの地の外へ狩りに出かけていた。

 上手くいけば、渡り鳥の群れが通りかかる。

 それを狩り食糧にするのだ。

 狩りの結果は上々だった。


「ファウが誘拐された?」


 帰って来たキョウは意外な知らせに驚いた。

 ファウといえば、今日は一番隊と二番隊で合同の訓練をしていたはずだった。


 狩りの結果は上々で、そんな矢先に、こんな知らせ。

「すみません。今、レファイ家はごたごたしていて。とりあえずはあなたに伝えた方がいいと思って来ました。もう帰ります」

 それだけ言うと、クスナはさっさと帰ってしまった。

 キョウはいてもたってもいられなかった。

 その日の夜はご馳走だったのだが、ほとんど食が進まなかった。



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