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月色の砂漠  作者: チク
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エピローグ



 キョウの波動はあたたかった。

 魔力を手に入れ、レンは幸せな気分になった。

 キョウの腰まであるきれいな金色の髪も手に入れた。


 月と同じくらいに神々しいくらいまで輝く、きれいな髪。


 レンはうっとりした顔で息を引き取った。



     * * *


 リゾは泉のほとりにいた。


 かつて、キョウ・テセティアが水脈を開いた泉。もっとも当の本人は忘れてしまったようだが。

 この地に住んでいれば、この地と似た波動の魂のキョウに、レンが惹かれるは当然だったのかもしれない。


 そのために、自分のしでかしたことは相当なものだった。

 最高位の能力を使い、危うくキョウの命を奪いかけた。


 だが、後悔はない。

 レンの幸せそうな顔を見れた。

 それに、最後の最後に『幸せになって』とレンはリゾに言葉を残してくれた。

 本音をいえば、レンと一緒にいる日々がリゾにとっては幸せだったのだが。


 誰かが言ったように自殺するまでは考えていなかったがレンのいない日々に何も価値を見出せない……



 ……と考えていたのはほんの数日前までのこと。

 リゾにはやることができた。


 意識を飛ばし、ルウの地中央付近を探る。

 ファウが剣の訓練に余念がなかった。筋はとてもいい。そう遠くない未来にファウは格段に強くなるだろう。

 キョウは子どもたちに剣の指導をしていた。

 クスナは泉の前で祈祷の儀式をしていた。

 ふとクスナはまっすぐリゾのほうをみた。

「おや、体調はもう大丈夫ですか?」


 それを聞いて、リゾはにやりと笑った。

 なかなか頼もしい仲間が、キョウにはいたもんだ。

 キョウが少しでも長生きできる可能性を探す――それがリゾの目的のようなものになっていた。



   終わり


最期までお付き合いいただきありがとうございました。

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