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月色の砂漠  作者: チク


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23/30

髪と魂

「キョウ!」

「ファ……?」

 キョウの瞳がまっすぐファウを見ていた。

「ファウ?」


「無事だった。よかった」

 キョウは微笑む。


「こっちのセリフ!」

 ファウはキョウに抱き着いた。

「……もういなくならないって約束して」


「うん」

 キョウは腕を回しファウを抱きしめたいところだったが、腕が鉛のように重かった。

「……眠い」

 キョウはそのままファウに抱きしめられたまま、眠った。




 またすぐ眠ったキョウに、ファウは慌てた。

 すぐ、クスナを呼んだ。


 キョウの変貌に、クスナも驚きを隠せなかった。


 だが、すぐ安心したようにこう言った。

「大丈夫、眠ってるだけです」


 確かにさっきまでの様子とは違い、キョウの胸が規則正しく上下していた。

 その様子にファウは安堵するのだった。


 安堵するファウに対し、クスナは絶望もしていた。

 髪の毛の色もそうだし、キョウにはあるはずの魔力が無くなっていた。

 ――この時のクスナはそれを告げることが出来なかった。




     * * *


 それから、最高位たちから意外な知らせが届いた。


 レンは死んだという。病死だった。

 リゾはあいかわらず行方知れずのまま。


 一番隊と二番隊の襲撃に、ファウの誘拐。

 事件ではあるのだが、肝心のリゾが行方不明のためか、リゾの名前を騙った愉快犯ということになった。大きな怪我をした者がいないというのも大きいらしく、最高位たちはその件はそう結論づけてしまったようだ。


 最高位が二人いなくなったという事実に、長老はほくほくしていた。

 次の最高位候補は自分じゃないかと躍起になっていたのだ。


 ファウは心底、どうでもいいと思った。

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