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月色の砂漠  作者: チク


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強硬手段


 やはり、レファイ家の館を襲撃したほうがよかっただろうか。

 使用人や料理人など兵士以外の者も多い。兵士以外の者を巻き込んで、それだけ見境のない無法者に誘拐されたと印象づけたほうがよかっただろうか。

 リゾとしては、兵士以外の者を巻き込むのは避けたかった。

 だが、今となっては一般の者も巻き込んでも平気な荒くれ者に誘拐されたと印象付けた方が正解だったか。


 それとも、キョウとファウが二人きりの時に誘拐すべきだったか。

 もし、キョウに怪我をさせていたら、レンの怒りを買うだろう。




 結局、無理のある計画だったか――


 リゾは横たわるファウを見た。

 魔法で眠らせている。

 さすがに長期間眠らせておくのは、無理がある。

 それに、なるべく無傷で帰したいと思っていた。


 リゾは意識を集中し、ルウの地中央の方へ意識を飛ばす。

 これをすると、ファウの眠りが解ける危険があったが、状況を確認しないわけにはいかなかった。


 リゾの青い瞳は、ルウの地中央の様子を伺っていた。

 どういうわけか、キョウ・テセティアへ託したはずのメッセージは誰にも知らされず秘密とされていた。

 当然ながら肝心のキョウ本人にも伝えられていなかったのだ。


――なぜだ? あの場にいた兵士たちは言葉の意味がわからなかったのか?


 リゾは、キョウとレンを静かな場所で会わせたかった。

 そのためにはキョウ一人が来るのが都合がいい。

 ルウの民にはほとんど知られてない場所で、キョウだけが知っている場所。

 それがこの水脈を開いた場所なのだが、その情報もキョウ自身に伝わってなければ意味はなかった。


 どう探ってみても、その真相はリゾにはわからなかった。


 はっと気づくと、横たわっているファウがリゾを見ていた。

 まだ体は動かせないようだが、眠りの魔法は解けつつあるようだ。


――もう時間がない。

 リゾは強硬手段に出たのだった。




     * * *



 キョウがたどり着いた場所。そこはオアシスだった。


 そこにファウが倒れていた。

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