犯人の目的は?
次の日、キョウはレファイ家の方に向かってみた。
レファイ家はルウの地中央の方向にある。
レファイ家に近づくにつれ、物々しい雰囲気になっていた。
ルウの地中央には大きな泉がある。
泉の中に島がある。そこに神の化身ともされるルウ族最高位が数人住んでいるという。
その泉を挟むように、レファイ家とラテーシア家がある。
ファウが隊長を務めるのは二番隊で、一番隊隊長はラテーシア家の者だった。
その一番隊と二番隊の合同訓練が妨害されたということで、ルウの地中央のあちこちに兵士が配置され、物々しい雰囲気だった。
キョウはレファイ家に行ってみた。
「すまない。今、立て込んでてまた改めてくれないか」
応対したのは、ダーリャ・レファイだった。
ファウの従弟であり、三番隊隊長でもある男だった。
「ファウを誘拐したのは、最高位の男だそうだ。情報が混乱しているんだ」
キョウはおとなしく帰った。
なぜ、泉も警備されているのかそれでわかった。
泉を渡って長老あたりが、真偽の確認といったところだろう。
長老とは、このルウ族において最高位のいる神殿に定期的に赴き、最高位の政策などを民衆に伝えている役割を担っている。
誘拐した男が最高位を名乗ったのなら、急遽、長老が護衛をつけて神殿へとご意見お伺いにでも行ったのだろう。
帰り際、環境維持ロボが道の整備をしていた。こんな時でも律儀だなとキョウは思った。
次の日、またレファイ家の方に向かってみたが、家にまで行くのは辞めておくことにした。
警備してる兵士たちの話を聞くに、一番隊と二番隊の合同訓練を妨害しファウは誘拐したのは、たった一人の男だという。
身長二メートルくらい大きく赤い髪。リゾと名乗ったらしい。
リゾは剣一振りで兵士どもをなぎ飛ばし、催眠術のようなものでファウをさらったらしい。
――最高位がなぜ?
最高位はその強大な力で、ルウの地と民を守るとされている。誘拐するなんて信じられなかった。
今日、分かった情報はそんな所だった。
家に帰ると環境維持ロボがいた。
キョウが家に入ると、ロボットも一緒についてきた。
「ごめんね。今日はもう余裕ないから明日にでも中央の泉の方に送っていくから」
いつぞやの水色の水晶のロボットだった。
今日はもう遅い。キョウは眠りに就く前に月にお祈りをする。ファウの無事を祈って。
ロボットはキョウの隣に佇んでいた。
キョウは閉じていた目を開け、ロボットを見た。
「一緒にファウの無事を祈ってくれる?」
そういうと、キョウは組んだ手に額を乗せ目を閉じお祈りをするのだった。




