他の奴らと同じじゃんか
「お前...一体何の能力だよ?」
俺の放った火の攻撃を全く効くこともなく
加藤に俺は問いかけた。
加藤の体からは煙がまだもくもくと出ている。
俺の問いかけに加藤は沈黙だ。
「おい!答えろよ!」
唾を飲み込む。
「う〜ん?」
加藤は顎に手をやり考えだすと、5秒ほど黙り込む
するとまんべんな笑みで答えた。
「内緒かな!?」
「はぁ?」
困惑する俺の様子に加藤は気づいたのか
ニヤニヤと笑っている加藤
「ごめんね!僕そろそろ学校行かなきゃ...」
少し俺の方を見るとたちさろうとする加藤
「おい!待てよ!」
俺の呼びかけにお構い無しに加藤は俺に背中を向けると手を上げる
「楽しかったよ!また今度どこかで会おうね!」
いつもの俺なら必死で後を追っただろう。
今日はどうしてか、足が思うように動かない...
怖がってるのか...
こんなの中学生の時以来だ。
なんか怖いな。
俺は自分を少しだけ過信しすぎてたのかもしれない
俺はエスパーだ。
ノーマルだのエスパーだの区別されるのがすごく嫌いだ。
俺がエスパーじゃなかったらさっきのカツアゲ現場は、見て見ぬ振りをしただろう。
当然だ。
俺には力がない。
この能力を過信してどこかで自分は他の人間とは違う。
俺が弱いノーマルを救ってやらなきゃと、心のどこかで思っていたのかだろうか?
これじゃー他のエスパーだのノーマルだの区別する奴らと変わんないじゃん
本当に嫌になる
なんとか地面を這いつくばっていた足は生まれた子鹿のように脆く地面に尻をつく。
「くそ!...」
地面に尻をつけながら下を向き頭を抱える。
そんな状態が1時間ばかり続き。
学校には2限目から登校したのだった。