カニバリズム
俺がうずくまっていると奥の部屋から声が聞こえた。
一度立ち上がりキョロキョロと辺りの檻を見渡す。
「こっちこっち」
檻の隙間から手を出して俺の方に手を招く
俺は招かれた方に向かって歩き出す。
まだ死体が、転がっている。
さっきまで生きていて言葉や行動を起こしていたとは思えない。
今は静かに眠っている。 こいつらが裏切りをしたって言っていたが一体なにをしたんだ?
どうしてあんな簡単に人を殺すことができる? 訳がわからない!
「ちょっと聞いてる はやくはやく!」
「あーわかったって!」
牢屋の方に向かうととても可愛らしい女の子が捕まっていた。年は15くらいか?
足は鎖で拘束されていて精一杯足を伸ばしながら牢屋の隙間から手を出して俺を呼んだのだろう。
「さっきまで見てたけどまたあいつ殺したの?」
「あぁ殺された。」
「へぇ〜まぁ〜ここじゃ珍しいことじゃないけどどう言った理由で?」
「あいつは俺のことを裏切ったって言って仲間3人を殺したよ」
「ヘェ〜」
この女の子はどうしてか俺に質問ばかりしてくる。 一旦なにを考えているんだろう?
しかし、捕らえられてもしかしたら殺されるて思うかもしれないのに全然怖がっている様子がない。 他の捕らえられている奴らとは何かが違う。とても俺の中で違和感を感じさせる。 気のせいか?
反応に困っている俺に気がついたのか
「私は山田マヤ1週間前から捕らえられてここにいる」
「そうなのか...俺は仙道新だ!」
「さっきの様子を見るとここにきてまだ日が浅いんじゃない?」
「あぁ数時間前にここにきたばかりだ」
「ヘェ〜そうなんだ。私はもう3年ちょっと前に参加してるわ」
「あなたはエスパー?」
「いいや! ノーマルだ。」
俺は本当はエスパーなのだが中村にバレないほうがいいと指摘を受けたのでここは嘘をついておく。
「ノーマルねぇ〜よくあの宮崎がここにきたばかりのノーマルを仲間に入れたね」
山田はそうゆうと足についている鎖をジャラジャラと引きずりながら牢屋の中央にいきあぐらをこく。
「まぁ〜いっか!」
クスクスと山田は笑っている。
「お前怖くないのか? もしかしたら殺されるかもしれないんだぞ!?」
「んーたしかに怖いよ!」
「なら何でそんなに笑えるんだ」
「ここに来たばかり時は私?めちゃくちゃ可愛いじゃん?」
山田が俺にセクシーポーズを見せる。
「はぁ、はぁ〜」
「おいおい! 仙道は女の子に興味がないのかな?」
そうツッコむと
「ここに来たばかりの時は殺されるというよりかは何回も知らない男の人たちに犯されたりしたわ」
「でも何とか切り抜けて3年近く生きてきた。」
「お前はどうして捕まったんだ?」
「まぁ〜なんとなく捕まっちゃった」
山田がぶりっ子がよくやる舌をちょびっと出してごまかす。
よくこんな状況にも置かれているのにふざけた事ができるもんだ。
状況は違うが例えるなら死刑囚みたいなものだろう。
死刑囚はいつ自分が殺されるのか待っている時間が一番辛いとよく聞くが同じ状況になってもこの山田とゆう女だけは違う。
「仙道はもう人間の肉食べた?」
「は? そんなもん食う訳ないだろ!」
「私の経験上食べないほうがいいよ!カニバリズムなんてとんでもないからね!」
「お前食ったことあるのか?」
「さーね!! でもここにいる時は食料も水も必要になってくるわけさ! 私がきたばかりの頃はプレイヤーを殺してその肉を汚い話食べるやつもいたよ!」
「まじかよ...」
「自分が生きるためには必要なことだからね! 人肉は1キロ1300キロカロリーしかないし、そのプレイヤーがどんな病気を持っているか わからないしね! 危険だよ!後クールー病になるからいいこともないよ!」
山田が俺にグッとサインをする。
「お前詳しそうだななんでそんな..」
「まぁ〜どんだけポイントが不足しててもセーフティーゾーンとかでちゃんとした食べのもとか水をポイントで交換したほうがいいってことさ!」
山田が俺の言葉を遮るように言う。
「ここはショッピングモールだし、多分水もあるんじゃないかな? 困る事はないと思うよ!」
「そうだな。 たしかに」
「ただ考えて欲しいのはこんな自分に逆らう奴は私みたいに閉じ込めたり弱い人を閉じ込め殺してポイントを稼ぐ、仲間も平気で殺すような宮崎が仙道には正しいと思う? これが自分に当てはまらないから見て見ぬ振りは良くないよ! 何か出来ることがあるんじゃないかな?」
「たしかにこれはおかしい! でももしもお前が言う通り俺が逆らってしまえば俺が殺されるリスクも出てくるわけだ。 自分がここから出たいからってそうゆう事を言うんじゃないぜ」
俺はなんて最低な事を言ってしまったのだろう。 これはデスゲームだ自分さえ助かればいいと思ってもいない言葉が俺の口から出てしまった。 言ってしまった後に後悔してしまう。
「まぁ〜確かにそうだよね! とりあえずまた話したくなったらここにきなよ!」
山田がニコニコと笑顔で俺に言う。
「悪い...」
そう短く答えると俺は山田から逃げるように出口の方に向かった。




