幸福
夢を見て、思いついた小説
朝コーヒーを飲んでいると、一本の電話がかかってきた。解体作業の依頼だった。
何故か軽い動悸を感じた、急いで作業服に着替えて、現場へと向かう。近くなると、あちこちにホームレスがたむろしていた。作業場に着くと廃墟になった病院がそこに建っていた。中に入ると、崩れかかった階段があり、すーっと引き込まれる様に地下へと向かつた。埃だらけの中に、主張してくるように、大きなシーツが何枚か掛けてあった。
現場監督がシーツを剥がすと、そこには見たこともない絵がある。一枚一枚剥がしていくと20枚ほどの絵があった。画家だった祖父に相談することにした。[ハンク素晴らしい絵があるんだけど、見て見ないか?]とジョージが話し出した。[ぜひ、見て見たいな]
祖父が来るのをちよつと興奮気味に待った。ハンクが来ると、軽く手を出し促した。
祖父をその病院の地下に連れて行くと、[こんな絵は描けない。誰が、描いたんだ] [おじいさん、どういうことですか] [博物館の人に、見せた方が良い。わしには、手に負えん。] 国立博物館に電話してみる。なかなか伝わらなかった。交渉して3日後に集まることになった。オーストリアの役所に電話して、解体作業の延期をお願いした。
博物館の人が来て、鑑定している。約1600年頃まだ修道院の頃、描かれた絵のようだ。絵には、きっちりフルネームが記入してあった。解体することを一時中止して、絵の鑑定が行われた。傷付けないように一枚一枚丁寧に並べなれた。鑑定していくと、[これは、普通の人間が描いた絵じゃない] [これは、精神科医に見せた方がいいじゃないですか?] [あ〜あそうかもしれないよ] [誰か絵にも詳しく有名な先生を知らないかね]
[ハンクの知り合いに精神科の先生がいただろ] [いたが、ちよつと、偏屈でな] [一応、電話してみるよ]
携帯で電話してみる。[わしじゃ、ハンクじゃ、珍しい絵があるんだがな、見にこないか?ファーガソン。]
[どんな感じの絵か知らんが、断る] [そう言わずに、死ぬ前に見ておいた方がいいぞ]
まだまだ死なないよ] [歴史的価値があると思うだがな]ファーガソンは、何も言わずに電話を切ると、しばらくして住所を尋ねた。[足場が悪いから、気を付けて、地下にあるんだ] [まぁ期待はしないがな]
絵を前に見て、言葉が出ないファーガソン、みんなで、絵を前にしばらく、ボー然としていた。
口火を切ったのは、ファーガソンだった。[考古学者もいる] [今度は、考古学か?]考古学で有名なトレビスが、呼ばれた。1600年頃の修道院に入所又はシスターが描いた絵ではないですかねとトレビスが言った。
[多分、サバン症候群の人が描いた絵だが、その当時は、認知も理解もしてもらえなかったと思うよ]ファーガソンは、言った。[ここを綺麗にして、オークションしたらいいじゃないの]現場監督のジョージが言い出した。博物館の職員の方が[それより、子孫を探さないと、始まらないよ]
ジョージは[なんだよ、この凄い絵の前に、厄介な事が出来たよ] トレビスが[キャンパスにフルネームが記入してあったからね、子孫探しも少しは楽になると思うよ]
本を読んでない私が、小説を書いて苦労とか苦しみ、大変でした。