後編
第3者視点です。(後で変えるかも知れません)
~~1ヵ月後~~
「ただいま。」
「お帰り・・・兄さんの行方は?」
「分からない。北方山地のダンジョンに入ったことは分かってるんだけど。」
「2か月も行方が分からないなんて・・・絶対に何かあったんだよ。ダンジョンの中での足取りは掴めないの?」
「王国軍が行方を追っているけど・・・調査は難航しているそうね。あそこは大陸でも屈指の危険なダンジョンだから。国の騎士や魔法使いでも、舐めて掛かれば生きて帰れない場所よ。」
「今までで分かっていることは?」
「少なくとも、ダンジョンボスの手前の部屋まで到達したことは判明してる。血痕の痕から、長い間出血していたそうよ。かなり酷い怪我をしていたみたいね。」
「でも、兄さんは回復魔法が使えるから、怪我はすぐに治せる筈じゃ・・・」
「さあ、私も現場に居たわけじゃ無いからそこまでは。」
「それで、その後の足取りは?」
「その部屋で何日か活動していた形跡があったそうよ。何でその部屋にずっと居たのかは分からないみたい。」
「何か移動できない事情でもあったのか・・・例えば、動けないほどの怪我をしてたか。」
「でも、それならテレポートで帰ってきどうだし、おかしいよ。・・・遺体、とかは見つかったの?」
「それがね・・・それから先、どこに行ったかは分からないって。」
「何で!?兄さん、その部屋で大怪我をしてたんでしょ?」
「その筈なんだけど・・・。兎に角、その数日間のあと、どこに行ったのかは全く分からないそうよ。遺体も見つからないし、部屋から出た形跡もない。まるで、部屋から忽然と姿を消したようだって調査隊の人が言ってたわ。」
「どういうこと?」
「うーん・・・」
「兄さん・・・どこに・・・」
――――――――――――――
「助けてくれえええええ!!ここから出してくれええええ!!」
「誰かあああああああああああああ!!!」
彼は、時間の狭間で永遠に苦しみ続けるだろう。
二度と出ることの叶わない、ループの牢獄の中で・・・