スライムが体育教師に「組体操は感謝を学べるのだ...」と言われたので
僕のクラスにはスライムが15匹くらいいる。
ある日、15匹くらい同時に転校してきたのだ。
時季的に体育祭で、すぐさま組体操の練習がはじまった。
「おら、日本記録を狙うぞ。12段くらいピラミット組むぞ、高さは7メートル超え、一番下のやつの負担は200kg以上だぞ、おら」
体育教師は昔ながらのオラオラだ。若いのに。
「先生、ピラミット組みたくありません」
僕は異を唱えた。
「おら、なぜだ?組体操は感謝を学べるんだぞ。あと支え合うことの大切さとか、おら」
「突っ込む箇所が多すぎますが、まあそれは後回しで。取り急ぎ聞きたいのですが、スライムたちをどこに配置するのですか?」
「おら、上だろ。計量的に」
「嫌ですよ!頭皮や肩がベチョベチョになりますよ!」
「おら、じゃあ土台だろ、おら」
「嫌ですよ!ベチョベチョに潰れますよ!上でも下でもどっちみちベチョベチョですよ!」
「おら、組体操は感謝を学べるんだぞ、あと支え合うことの大切さとか、おら」
こうして僕たちはベチョベチョになりながら当日を迎えた。
来賓の方々は特設テントに陣取ってる。
保護者がスマホやすんごいカメラを構えて席の取り合いを演じている。
そして組体操のコーナーがきた。
「おらっ、ちゃんと組んでこいよ。他校より低いピラミットだったらぶっ殺すぞ、おら。感謝を学べんでこいよ。あと組み終わったあとは涙ながらに『支え合うことの大切さを学びました..!』ってぬかせよ、おら」
僕たちは一段も組めなかった。
「校長先生!あなたの学校は一段も組めないのですか!これは団結がない学校ですね!よくない教育!」
来賓がテントで発狂した。
「ちょっと!なんでうちの子がスライムを支えなきゃいけないのよ!ぶっ殺すわよ!」
保護者が発狂した。
15匹くらいのスライムが体育教師、校長、来賓、保護者、僕を皆殺しにした。
完
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