異世界転生を担当している神は今日も愚痴を言う
???「んで、今回はどんな転生者を聞かせてくれるのだー?タンゴくん?」
酒場の女主人さんが問いかけてくる。その体型や顔は幼児そのものだが正直かなり頼りになる人物だ。何より俺の愚痴を聞いてくれていた。
タンゴ「あー、何にしましょうかねえ、いつものでお願いします」
女主人「はいいつものー」
そういって女主人さんは瓶を目の前に置く。
女主人「タンゴくん、話の続きをおねがいするよー」
タンゴ「決めた。今日は最近転生させた転生者の話をする」
数日前
タンゴ「これが今回の担当か」
ヒデキという男だった。高校生で引きこもり、日本人の転生を担当している俺にとっては呆れるほど見てきた経歴だった。
なぜそんな奴らばかりなのかというとこういう社会不適任者で特に若い者は別世界で特典をつけて転生させた方がマシだという上の決定だった。生きている人間にそういう特典をつければいいじゃないかと思うが生きている生物には一切干渉出来ないのだ。
だが生物でないなら話は別だった。例えば転生させるための手順としてはトラックを轢かせるらしい。
ヒデキ「ここはどこなんだ?」
タンゴ「私は神です。あなたには異世界に転生してもらいます。なにか特典はいりますか?」
ヒデキ「マジで?ちょっと落ち着かせてくれ」
タンゴ「はい」
ここまでテンプレ、と日本では同じような繰り返しをそう呼ぶらしい。
ヒデキ「じゃあエクスカリバーお願いします」
タンゴ「わかりました。健闘を祈ります、では」
ヒデキが消えていった。この時つける特典は本人から申告したものだけでなく他のものもつけられる。ある程度の身体能力の特典とコミュ力の特典とハーレムの特典だった。正直現世で頑張ってもいない奴にそんな特典を与えるのは虫唾が走るが仕事なので仕方なかった。
現在
女主人「つまらない、そんなクズの転生者の話を聞かれてもつまらないよー」
どうやらお気に召さなかったようだ。女主人さんも俺から転生者の話を聴いているのでそれなりに詳しかった。
こうして夜は深まっていく。
この小説は供養みたいなもんです。ぶっちゃけ黒歴史です。他の作品を書くつもりは到底ありません。ですがお蔵入りももったいないかと思い投稿させていただきました。