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0,モノローグ
退屈だ。
窓の外は私の気分とは裏腹に、綺麗に整った景色だった。
「本当に気持ちが悪い。」
四月のある日の景色だった。
暖かな色と溶け合う桜は、次の瞬間風に摘まれて飛んでいく。
蒼一色のように見える空は、きっと昨日の大雨が連れてきた。
「どうして。」
もう随分と花弁の密度は減って、近くに行けば葉の頭も見える。
次にもっと強い風が吹いたら、きっともう何も残らない。
残らない。
そしてまた春を待つ。季節は知らないうちに回る。
「どうしてこんなにつまらないんだろう。」