指輪に籠められたもの
「何でもする。なんなら、残りの皆も
鑑定しよう。もちろんただでいい。」
鑑定士は目を光らせながら、
尚もゲルトーンを手に入れようと
躍起になっている。
「いや、俺達は自分のステータスは
分かるから、鑑定は必要ないです。」
「どういうことだ?
鑑定魔法が使えないから
俺の所に来たのだろう?」
心底不思議そうな顔をした。
「えっと、実は俺達のステータスは
この指輪が鑑定してくれるんだ。」
「おにいたん?!」
俺は何の相談もなく指輪のことを話した。
あまりにも異常な力を持つため
今までは秘匿していたが、どうしても
この指輪のことが気になったのだ。
「それは魔導器なのか?」
「分からない。これは、ある露天商
から買い付けたものだ。だから、
細かい事はよく分からない。」
これは事実だ。現状では分かることが少ない。
「鑑定してもいいか?」
「口外しないと誓えるのなら。
あまり変な噂がたつと困るから。」
「分かった誓おう。」
またもや目が光った。
鑑定眼のスキルを発動させたようだ。
また十分ほど過ぎた頃。
しきりに唸っていたのが、急に声を
潜め、こちらに鋭い視線を送ってきた。
「こいつが指輪の結果だ。」
そこには、思っていた以上の情報があった。
〈アイテム〉
アイテム名:次元門の指輪
アイテム種:真性魔導器・指輪
魔 力 :8750/10000
効能・備考:異世界との境界を超える事ができる。
装備者を『基礎鑑定の波動』で鑑定する。
クローカー製。
??????
途中からは、情報が掴めなかったらしく
???としていた。
「なあ、これは・・・。」
「また、困ったことになったね。」
俺達が困り果てていると、鑑定士が
重い声音で話しかけてきた。
「これは非常に危険だ。
籠められた力も異常だし、
何よりクローカーの名がある。
かの大魔導師の作なら、
かなり価値のあるものだ。」
「そ、そうなのか・・・。」
非常に興奮した面もちであった。
最初のやる気のなさげな
オーラは吹き飛んでいた。
「ただ、籠められた鑑定魔法はお粗末だ。
しかし、僕ならより高性能の鑑定魔法を
付与することができる。
ゲルトーン一つと引き換えでどうだ?」
何とも商売上手な話の持って行き方だ。
これでは、了承してしまうよりほかない。
俺は色々まずったかなと後悔するのであった。




