騎士と闇の意志
水曜日の分です。
_SIDEグロス_
私は産まれてこの地を任されるまで
ずっと魔導帝国の王都で過ごしてきた。
そして、帝国は人が住める『人間界』の
中央に建国されている。
更に、この世界の人間が使う
魔法関連の物は全て帝国が発祥地だ。
だからよもや帝国の存在を
知らない者がいるなど考えられなかった。
「汝らは真に魔導帝国を知らないのか?」
「は、はい・・・。」
本当に知らないのか・・・。
「では、帝国、我々に仇なす
つもりはないのだな?」
「はい。」
「まあ、こちらが襲われたら
その限りではないけどね。」
男の方は素直に頷いたが、
小さな女の子が釘をさしてきた。
「我が名に誓って、そのような事を
しないことを約束しよう。
汝らも本当に牙はむかないのだな?」
「ああ、俺の名に誓おう。」
こちらが名を賭けたのに対し、
向こうも名を賭けてきた。
ならばその誠意に報いよう。
「よし、ついて来い。」
「えっ?」
「強固な壁が覆っているが、
中にはちゃんと町がある。
そこでしばらく過ごすと良い。」
騎士道に則って名を賭けたものは信用する。
「将軍、宜しいのですか?」
「かまわん。彼らは信用に値する。
彼らの安全を保証しろ。」
「はっ。承知致しました。」
「ようこそ、我がストラテス城塞都市へ。」
_SIDE???_
「新たに強き魂を持つものが現れた。
このものたちとは敵対するべきではないな。」
「しかし、最近多いな。
やはりあの男が向こうでしでかしたのか?」
「かの大魔法使いが動いた結果なら
我々ではどうにもなるまい。」
「はぁ、しばらくは様子見か。」
「そうするべきかと。」
「ふむ、あれから100年以上が経つ。
時間の流れが同じかは分からないが、
その子孫が動いた可能性も考慮するべきだ。」
「ゾノ、あなたは・・・。」
「かまわん、ラズ。」
「はっ。」
「まだ、我々は仲間だ。
今はまだ、な。」




