南の女将軍
遅れてすいません。
火曜日の分です。
閉ざされた門が僅かに開く。
門兵が倒れたのを確認したのか
更に危険な雰囲気の人物が現れた。
奥から現れたのは、どす黒く輝く
重甲冑に身を包んだ女だった。
女だと分かったのは、
ヘルムをかぶらずに素顔をさらし
その白銀の長髪をたなびかせて
軽やかに歩を進めてきたからだ。
「先程は部下が見苦しい所をお見せした。
それについてはこの場で変わりに
私が謝罪させてもらう。すまなかった。」
軽く頭を下げ、赤き双眸を此方に
向けてきた。
「我が名は、
グロス・クローディア・ヴィ・グラディウム。
グラディウム伯爵家の三女であり、
この帝国南方城塞の最高責任者だ。」
俺はその強き眼光に僅かに怯んだ。
ガリンゴにもスライムにも
無かった、強い騎士の志があった。
「お前ら、いつまで寝ているつもりだ!」
「「はっ・・・!!グラディウム将軍!!」」
「あなた方のことは聞いていた。
私からも一つ問おう。
汝らは帝国に仇なすものか?」
(さっきも出てきたが『帝国』ってなんだ?)
疑問に思っても、ここで
「帝国って何ですか」とは聞けない。
知らないなんて言ったらどうなるか
そんなのは分かりきっている。
「『帝国』ってなんですか?」
(お、おい・・・)
心が口火を切った。
今言ってはまずい言葉を。
「なにっ!」
先程にも増して鋭い眼光が刺さった。
周りの気温がぐっと下がった気がした。




