怪しき声
オーガリンゴとの戦いにも
疲れてきた。皆の顔にも
疲労が色濃く見える。
体中を血塗れにしながら、
認識が甘かったと後悔しながら。
それでも、まだこちらに
勝機ありと見える。
「はふぅ、はぁ、はぁ・・・。」
息も絶え絶えに気力を
振り絞ってかかる。
互いにズタボロだ。
こんな思いをしたのは初めてだ。
今まで向こうで生きてきても、
こっちで最初にガリンゴと
一戦交えた時もここまで悔しくはなかった。
そして同時にもっと強く、
燦然と輝ける存在になりたいと思った。
「はぁ、はぁっ、おらっ!」
ボコッ
少しずつ相手も削れていく。
さっきよりも小さく感じられた。
「食らえっ!」
ドカッ
少しずつ相手が弱まっていく。
明らかに動きが鈍くなってきた。
「トドメだっ!」
ザクッ
・・・遂にオーガリンゴを仕留めた。
思考が鈍い。
疲れが溜まったのだろうか?
「皆、だ、大丈夫なのか?」
眼も霞み、足元が覚束ない。
「多分、このまま押し切れるよ。」
「こっちも大丈夫だよ。」
「やれます。いえ、やります。」
ぷっるるっー!
仲間たちの心強い声を聞いた為か、
安心し、少しねむ・・・・・・
「はっ!」
「「おにいたん(おにいちゃん)。大丈夫?」」
「一体なにが・・・。」
「空雅さんが私たちに声をかけた後、
すぐに倒れられたのです。」
「そうか、迷惑かけたな。
奴らはどうした?」
「それがね、おにいたん。
オーガリンゴは倒したんだけど、
さっきから変な声が聞こえるの。」
「なに?」
桜の言葉に、耳に意識を
集中させていく。
「ワレハ、コノモリノケンジャ。
ナンジラトハナシガシタイ。」
すると、確かに妖しげな声が聞こえてきた。
一体何者なのだろうか?




