魔物との遭遇
初戦闘です。
(この音どっから?)
ガサガサっ。
「上かっ。って、林檎が?んなアホなことが・・・」
「ギシャー」
「あった・・・」
「てかヤバっ。早く逃げなきゃ。」
襲いかかる林檎のような魔物。
一つ目で牙のある口を持つ、一見普通そうな林檎。
それをなんとか躱す。
(あっぶねー)
バキっ。
(なんだ!?)
恐る恐る後ろを振り返ると。
さっきの林檎が避けた先の木をエグっていた。
「うっそー・・・」
(ちょっマジやばい・・・)
逃げようとすると、林檎がこちらを睨みつけてきた。
まるで、次は殺すとでも言うかのように。
(マジ無理ゲーなんすけど・・・)
(いやまてよ。俺は脳筋ビルドだ。
筋力や俊敏さなら・・・
いやどう考えても負けている。)
(他に何か手は・・・)
ビューン。さっ。カスッ。
「つっ~、避けきれなかった。
血が出てやがる。」
ビューン。
「くそっ、逃げ続けるしかないのか。」
(どうすればいいんだ。
奴に喰われるしかねえのか。)
林檎が右に左に追いかけ続けてくる。
「そうだっ。」
(やつが次の動作へ移るため止まる瞬間。
そこに攻撃を加えれば。
やつが魔物だろうと林檎には違いない。
ならばそこまでの硬さはないはず。
無いよねッ・・・あったら困る)
「あぁーもう、殺るしかない。」
ビューン。トッ。
「今だ!」
ボコッ。
渾身のパンチが林檎にクリティカルヒット。
半分ほど体を失っている。
が、林檎はどうやらまだ動けるらしい。
「嘘だろ。やっぱ今のうちに逃げるか。」
(いや、どうも様子がおかしい)
ついには動きが止まった。
どうやら動いていたのではなく、
もがいていただけのようだ。
(ほぉー)
「これでなんとか帰れる」