花の香り
「おにいたん。」
バタン
「お、おい。大丈夫かっ?」
フラフラするなか、声を掛けた。
甘ったるい、花の香りがする。
ぷるるっー!
ライムが心配して駆け寄る。
「おにいちゃん、これヤバいよ・・・。」
「これは・・・、たぶんっ麻痺毒です。」
二人とも息絶え絶えだ。
「んっ?・・・何かいる。」
周りに違和感を感じた。
「くそっ!」
振り切ったと思っていた。
しかし、またこうして囲まれている。
しかも、頭に花を咲かせた奴までいる。
(とりあえずこのままはマズい・・・)
「『結界』ッ!」
フラウさんに教えてもらった結界を使う。
ガリンゴの攻撃ぐらいなら
防げるらしいが、時間経過で魔力を
消費するから、あまり長くは持たない。
「とりあえずは大丈夫だと思う。
俺は魔力回復と結界維持に
集中するから、後は頼む。」
気力を振り絞ってそう告げた。
「皆さん、こ、これを口に含んで下さい。」
フィーヤさんが鞄から白い草を取り出した。
「これは、ま、麻痺を消せる薬草です。
さあ、皆さん早くっ。」
皆それを口に含む。
倒れていた桜にも
心が口移しで含ませる。
桜があんなに早く毒が
回ったのは、体が小さいからだろう。
「少し落ち着いてきたよ。」
「はい、少し楽になりましたね。」
空雅は、二人の会話を尻目に、
結界維持を続けていた。
「まずいな・・・。」
ガリンゴたちが迫ってくる。
ガリンゴが攻撃をすれば、
それだけ早く魔力が減る。
「さくら、大丈夫?」
桜は心に膝枕してもらっている。
今ここで来られたら非常にマズい。
(もう少し持ってくれ。)




