決心
「どうかお願いじゃ。」
そう言って頭を深々と下げる村長。
自分たちにはどうすることもできない
雲の上の話だと思っていた。
「儂は結界の維持のためここから動けんが、
フィーと生き残った者の中で比較的若い奴、
強い奴を行かせるつもりじゃ。
そこにお主らが加わってくれると心強いのじゃ。」
「若い人や強い人が行くのはわかりますが、
どうしてフィーヤさんまで?」
「フィーは村で唯一、火の魔法が操れるのじゃ。
スライムどもは火に弱いからの。
物理攻撃が効きづらい相手じゃから、
どうしても外せんのじゃ。」
「なるほど。」
(なら尚更俺たちじゃどうしようもないじゃんか)
クイクイ
俺のズボンが引っ張られた。
「なにをやって・・・。」
「ちょっと耳貸して。」
このタイミングで話しかけてきた桜に
俺は予感のようなものを感じていた。
「さくらたちなら助けられるかもしれないよ。」ヒソヒソ
「どういうことだ。」ヒソヒソ
「現代科学の力に頼ろうと思うの。」ヒソヒソ
「なるほどなぁ。よし、なら決まりだな。」ヒソヒソ
話が終わった頃に心が話しかけてきた。
「おにいちゃんたち何話してるの?」
「ああ、すぐに分かる。」
「村長さん、フィーヤさん。
俺たちはその話お受けします。」
そう言いながらも、この道は最初から決まっていたのだろう。
力が弱いと思っても見捨てる気なんてサラサラなかったのだから。
「本当か?」「本当ですか?」
「ああ、ただし条件がある。」
「条件?」
「出発まで少し時間を頂きたい。」
「儂らは今日明日中には出発するつもりじゃった。
それまでになんとかなるか?」
「明日まで待ってもらえれば十分だ。」
「で一体その間に何をするつもりなんじゃ?」
「対スライム用の武器を作るつもりだ。」
「しかしどうやって?ここには材料もないぞ。」
「この村の手を煩わせたりはしない。こちらで準備する。
そのために部屋を借りたいのだが。
あの部屋を一日貸していただけないか?」
「それはかまわんが・・・。」
「あと、作業を見られたくないから明日こちらが
出てくるまで中の様子を探るようなことは控えてくれないか。
食事等も大丈夫だから。」
「しかし、小僧どもは大丈夫なのか?」
「あんまり時間ないんだろ。
こちらも出来る限り準備に時間が欲しいからな。」
「分かった、信じて待っていよう。」
「なら、早速で悪いがこもらせてもらうぞ。」




