当然の想い
宿で話し合っていたら、足音が聞こえてきた。
カツ カツ カツ
あまり立て付けがよくないのかかなり響く。
コンコンコン
足音が止まったと思ったら、
何者かに部屋の戸がノックされた。
「私だ。グロスだ。少し話したいことがある。」
相手は将軍殿だった。
まあ、何故来たかは簡単に想像できる。
「どうぞ。」
「失礼する。突然すまない。
急用ができたので急いでここまできたのだ。」
「はあ。その用というのは、この子のことですか?」
クゥーン?
ノワールが心配そうにこっちを見上げている。
「如何にも。先ほど部下からこの街に
魔物が入ったかもしれないと聞いたのでな。
昨日の話にはのぼらなかったから
こんな微妙な時間になってしまったのだが。」
「なるほど。」
「流石に街中に魔物が、しかも強い魔物が
居るというのは如何ともし難いものでね。
悪いんだけどね、その子には
死んでもらう必要があるんだ。」
俺はグロスさんの話を聞いて覚悟を決めた。
「分かりました。」
「おにいちゃん!?」
「分かってくれるか。」
(ああ、十分に分かっているさ・・・)
「ああ、分かっているが、その話は聞けないな。」
「なに?」
分かっていても納得の出来ない事だってある。
「この子は新たな友なんだ。
それを見捨てるような事は俺には出来ない!」
「そうか・・・。」
グロスさんの顔に葛藤と思考が窺える。
グロスさんの一言で今後の打つ手が変わってくる。
俺は知らず知らずの内に手に汗握り、焦っていた。




