プロローグ
初投稿です。
よろしくお願いします。
とある日常、その日はそんな一日に過ぎなかったはずだった。
俺は、その日も気だるげに家へと帰っていた。
(あ~だりーなー、なんかおもしれえことねーかなー)
「おっ、なんだありゃ?」
いつもの帰り道に知らないおっさんが座りこんでいる。
どうやら露天を開いて何かを売っているようだ。
(面白そうだな。よし、寄ってくか)
「よっ、おっさん。何売ってんだ?」
声をかけると、明らかにひ弱そううなおっさんが予想に反して睨んできた。
まるで品定めでもするような瞳だったがすぐに目を伏せた。
「私が売っているのはゲームだよ、少年。
この新型ゲームハードと対応ソフト『リアルRPG』。」
「『リアルRPG』だ~?
なんだそりゃ、随分大層な名前つけやがって。
で、そりゃ面白いのか?」
「もちろん。まあ、これは試作品だけどね。
限定100本、無料でβテスターを募ってるんだ。
少年は興味ないかね?
最後の一本が余ってしまってね。」
「ふ~ん、本当にタダなんだな。」
「もちろんだよ少年。」
「よし、なら貰うわ。
後その少年って言うのやめてくんない。
俺は、空雅。黒岡空雅ってんだ。」
「わかったよ。空雅くん。これが商品だ。
説明はしっかり読んでプレイしてくれ。
楽しんでくれよ?」
「もちろんだ。
じゃあな、おっさん。」
これが俺の、俺たちの日常を、世界を変えた最初の出来事だった。