出前講座の打ち合わせ
六月最初の学年会で秋人と鹿児島県の国際協力推進員の唐辰さんを交えて、出前講座の打ち合わせが行われた。
事前のやり取りで既に日程は決まっており、十七日の土曜参観に合わせて行われることになっている。これから、どんな内容を話して、どのように進めていくかを話し合う。
時間は一時間目にそれぞれのクラスで算数や国語などの授業を行う。その後、二・三時間目に総合的な学習の時間「世界の国々を知ろう」の一環として、秋人が協力隊員として海外で仕事したことや生活したことを分かりやすく話すことでまとまった。
当初、三時間目だけであったが、それでは時間が足りないと言うことで、二時間やることになった。授業参観で行うため、大人も聞くことになるが、メインは子どもである。内容は小学三年生が理解できるものであること。
また、当日までに事前にリカルア共和国がカリブ海に浮かぶ島国で、元はスペインの植民地であったことなどは授業で説明したり、子ども達に調べさせたりすること。…などが決まった。
「これはJICAが小学生向けに作った教材ですので、協力隊の説明などにお使いください」
唐辰さんはいつもこのような話を計画しているため、話の進め方がとても上手だった。また、資料の内容もすばらしい。
秋人の講座料はJICAが負担するが、交通費は学校負担であることなど、事務的な話も分かりやすく進める。
唐辰さんの話によれば、各都道府県や政令市に地方の特色に応じて、JICAや青年海外協力隊などの啓発活動や国際理解教育の推進などを進めるために置かれているのが、国際協力推進員であるとのことだった。
鹿児島県の場合、南北六〇〇キロも離れているため、協力隊経験者と連携して事業を進めているらしい。今回行う出前講座のその一つとして位置づけられる。
唐辰さん自身もアフリカのガンマン連邦で協力隊員として活動しておられた方である。全国の全ての推進員が協力隊経験者であり、推進員自身も海外での経験を直接語ることがたくさんあるらしい。
今回の打ち合わせでJICAや協力隊の舞台裏を知ることもできたので、それもまた面白かった。これから秋人がどんなプレゼンを作るのか楽しみである。