表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/25

双子のさし飲み(1)

 十月最後の金曜日、いつもよりも早めに仕事を切り上げる。この日は秋人の教員採用試験合格祝いをする約束をしていた。


 たまには秋人と二人で飲むのも悪くないと思ったのである。何より、彼の本音が知りたかった。まずは生ビールで乾杯する。この時期にしては少し早いが、この日はもつ鍋をつつく。


 十月も終盤に差し掛かると南国・鹿児島でもさすがに肌寒くなる。本州の人はよく勘違いしているが、九州にも冬がある。そして、雪も降る。ただ、他の地方よりも冬の訪れが遅く、春が来るのが早いだけだ。


 いつだったか、鹿児島で十一センチも雪が積もった時に、新潟から来ていた同期が『ここは南国・鹿児島じゃないのか…』と言っていた。


 ただ、宮崎だけは九州山脈と黒潮の関係でほとんど雪が降らない。九州で最も九州らしい気候なのは宮崎と言っても過言ではない。


 おっと、話題が完全に横道にそれてしまった。今日は秋人と二人で教員採用試験の合格祝いをする日だった。


「秋人はさすがだな…。教員になるって決めてから、一発で教採合格するんだからな…。本当におめでとう! 大学も現役で早稲田に入ったし、本当に器用だよな…」


 僕は開口一番で秋人を褒めちぎった。何より心より思っていることである。大学時代も今も、秋人は僕の先を歩き続ける。そうなったのはいつからだろうか…?


「いやぁ、ありがとう! 今日は珍しく穂高のおごりだから、たくさん飲むぞ!」


「珍しく…は余計だぞ! まあ、今日は二人で飲もう!」


「ところで穂高、俺は穂高こそ、うらやましいと思うな…。だって、もう結婚相手がいるし、来年の今頃は結婚式だろう? いいよな…。それにずっと、鹿児島にいるから顔が利くし…。ここの店だって、知り合いの店だろ?」


 秋人がそんなことを思っていたなんて知らなかった…。確かに来年の今頃は結婚しているだろう。それに今日の店だって、学生時代のバイト先で知り合った先輩がやっている居酒屋である。


 しかし、それは地元から離れずにいたら、自然と培われる人脈ではないだろうか? 近くにいる仲間を大切したいからこそ、穂高は鹿児島から離れること無く、これまでずっとやって来たのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ