秋人の合格後の過ごし方
鹿児島市にセブンイレブンが進出したのは2011(平成23)年のことです。
秋人は九月からセブンイレブンでバイトを始めた。昨年、鹿児島にもようやくセブンイレブンが進出した。
秋人は協力隊から帰ってきてから、家の近くにセブンイレブンができていたことに驚いていた。これまで鹿児島のコンビニと言えば、ファミリーマートかローソンかサンクスのいずれかであった。
何でも、秋人は学生時代、東京でセブンイレブンのバイトをしていたらしい。そのことを面接で話したら、すぐに採用されたと言っていた。
せっかくなら、コンビニのバイトじゃなくて、臨採をやればいいのに…。正規の教員採用試験に受かったような人なら、教育委員会も来年の四月に向けて、少しでも試運転させておきたいと思うだろうに…。
それにしても教育委員会も人を見る目がないなあ…。秋人は臨時教員登録をしていなくても、臨時教員をさせるべきである。そして、子ども達に少しでも海外を体感させたらいいのに…。
このような人材は鹿児島にはなかなかいないから、コンビニのバイトなんかせずに臨時教員をやるよう、秋人に進言することにしよう。穂高は仕事帰りの車の中でそのようなことを思った。
仕事から帰ると、穂高は早速そのことを問いただした、すると、今までずっと外国にいたので、しばらくは日本や鹿児島の変化を社会の最前線に出て感じたいとの答えが返って来た…。
なるほどね。そう言うことなら仕方ない。ただ、何となくコンビニでバイトと言うなら、力づくでも臨時教員登録をさせるところだが…。秋人なりに考えがあるなら、あえて強制はしない。
実を言うと秋人のこう言った発想は嫌いじゃなかった。つい、守りに入ってしまう自分と違い、守りに入ること無く、いつも攻め続ける秋人。
同じ双子でも、考え方や行動パターンが全く異なる。そのことを本当に理解してくれる人は数えるほどしかいない。昨年亡くなった祖母もその一人だったな…。
十月になれば、祖母の一周忌を迎える。一年前、秋人は海外で働いていたために祖母の死に目に立ち会えなかった。海外で仕事をすることは楽しいことばかりではないようだ…。




