結果は…
「ええっ、そんな馬鹿な…。また、落ちているし…」
「おっ、マジで! やった〜。一次受かった!」
一次の結果発表日、僕に取っては最悪の結果に終わった。どうやら、できたつもりになっていたらしい。一方、秋人は効率よく勉強を進めて、一回目の挑戦で一次合格を勝ち取った。
「秋人、よかったな…。おめでとう! 俺の分まで頑張ってくれ…」
「おい、穂高…」
何か声をかけようとする秋人を横目に、僕は力なく階段を上がっていく。そして、部屋に入る。そして、大きくため息をつく…。秋人は僕に何を言おうとしたのだろうか…。彼だって、こんな結果になるなんて思ってもいなかっただろう。
僕だって、こんな結果になろうとは考えてもいなかった。しかし、秋人は一次に受かって、僕は一次に落ちた。それが現実である。さて、美弥には何と言えばいいだろうか…。
もうすでに「一次試験の結果はどうだった?」とメールが来ている。ああ、本当に困ったものである…。あと何回こんな思いをすれば、ここから抜け出せるのだろうか?
もしかして、多良木穂高と名前を書いただけで、試験官から「こいつはもうダメだ…」と決めつけられて、ろくに採点もされずに結果を出されているのではないか…とさえ思った。
なんで毎年…毎年…、自分よりも優秀な人間が次々から次に現れては、合格をかっさらっていくのだろうか…。特に優秀な新卒が対して苦労もせず、正規教員の座に納まっているのはいささか納得いかない。
いやいや、これもあれも全て、自分の力のなさと、不徳の致すところだってことは分かっているのだ。分かっているけど…、いざ、残酷な結果を突きつけられると、やっぱりへこむ。
そして、美弥からはさっきから何度も携帯に着信が…。きちんと結果を伝えないと行けない事ぐらい分かっている。もう、何年も待たせているんだ。こちらの都合で…。むしろ、よく愛想を尽かさずに、一途に待ち続けているものだ。
こんな自分に美弥みたいな素敵な彼女がいるなんて、それこそ信じられないことである。多分、美弥に見捨てられたら、もうこんな素敵な彼女には出会えないと僕は分かっていた。
よし、覚悟を決めて、美弥に電話しよう…。




