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やり直した令嬢は幸せを摑まえる。あばずれ?言いたければ言わせておけばよいのです  作者: 鏑木うりこ


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第19話 なくなっちゃった……。

「アネモネ……恐ろしいことが分かった……。お前の気づきが殿下の御命を救いそうだ」

「えっ」


 王太子殿下の不調は薬物によるものだった……。でもそれは別の目的の為に持ち込まれたモノであったからナルクはそちらの方を期待して使っていたようだけれど。


「ちょっといいづらいのだが……その、夜の、男性機能を増幅させる薬だったらしく」

「まあ……!」


 つまり、ナルクはダリアと結婚したのに複数の女性と関係を切らず、ずっと遊び歩いていたらしい。前の人生でもナルクはそういう奴だったから、治るとは思ってはいなかったけれど。


「ナルクの他に何人もの好き者共がその薬を使用し……体調を崩している。因果応報と言えばそうなのだが」

「お、王太子殿下も……?」


 そんな女性にだらしがない人が次期国王となるのは不安が残る。私が顔を曇らせると、お父様は左右に首を振った。


「いや、ラナン殿下は知らなかったんだ。ただ……王太子妃が、殿下に内緒で薬を盛り続けていたようで」

「そういえば、子供がまだだから……?」

「うむ。焦って副作用があるとは知らず、危ない薬を殿下に飲ませていた。目的が目的だけにな」

「そんな……そのせいで殿下を苦しめていたなんて」

「王太子妃の医者もグルだったそうだ……そしてその薬を手配したのはトッドリア侯爵自らだと判明した」

「なんという……」


 せっかく娘が王太子妃になったのに、その地位を固めるための子供が生まれない。それに焦ったのは娘だったか父だったか。良くないことと知りながら薬を殿下の飲ませ続けてしまったそうだ。


「トッドリア侯爵と王太子妃は貴族牢へ隔離し、王太子妃の連れ込んだ医者を逮捕すると、少しづつだが殿下は回復されているそうだ……」

「それは……殿下にとっては良かったですわ」

「うむ……」


 しかし、トッドリア侯爵はもう罪人にしかならないだろう。知らなかったとはいえ、王太子を毒殺しようとしたようなものなんだから。トッドリア家はお取り潰し、アイビー王子妃も良くて生涯軟禁、死を賜るかもしれない。


「それでな……その、可哀想な話なのだが」

「どうなさったのですか?」


 お父様が声を潜めるので、私も耳を近づける。


「その……その薬の副作用でな。殿下はもう子を成すことができぬそうだ」

「えっ!」

「その……行為自体はできるのだが……子種の方が死に絶えてしまったらしい……そういう副作用だということだ」

「あっ……」

「多分、ナルクもだろうな」


 なるほど……? あれだけ派手に遊び歩いているナルクだけれど、子供は学生時代にダリアが産んだ男の子一人っきりだ。その後、ナルクには子供がいない……そういうことだったんだ。

 きっとナルクは前の人生の時もその薬をずっと使っていたんだろう。ダリアとの間に子供ができた頃はまだそんなに使用していなくて……私と結婚した後はもう、死に絶えていた。だから私はいくら私の体調を整えても子供ができなかったんだ。

 あの時、子供ができないのは私のせいだとナルクにもデニス侯爵にも周りの心ないメイド達にも責められ針の筵だったけれど、私が悪いんじゃなかったんだわ。


「なるほど……」


 凄く納得できる話だった。きっと私は子供ができにくい体質ではなくて、むしろできやすい体質だったのかもしれない。だってそうじゃなきゃ、たった一回であんなに可愛い子を妊娠できる訳ないものね。


「ふふ……なんだかスッキリしましわ……ナルクの奴、ざまぁ! ですわ」

「まあ、ナルクはそうだな」


 お父様と私はニヤリと笑うのでした。


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