魔導車なまけもの君
魔導車は魔導具エンジンで動くエコな乗り物である。
オーガ帝国研究所で冷や飯を食わされていた研究者の研究により生まれた。
誕生時そのそばをリーダーが通りかかった。
その時はまだその先進性に誰も気付いてなかった。
運良くリーダーはそのアイデアと技術を譲り受けた。
魔導車は馬が居ない馬車然としており、無馬車とも呼ばれる。
異世界モータリゼーションである。
一台作って領主にあげた。受け取った領主は分解し、構造強度性能をとことん調べ上げた。
そして出来上がったのが、ナナメ領産ナナメ一号車なまけもの君。
4足歩行車である。舗装道路が少ないので車輪は嫌らわれたのかもしれない。
どんな険しい所でもなんなく歩行できる優れもの。
ゆくゆくはナナメ領内で走るなまけもの君で溢れるのかもしれない。
何かが違うと感じつつも
まぁこういうのも有りなんだろうと思うリーダーであった。
ナナメ魔導車なまけもの君が街に溢れた頃
レースが開催された。
レーシングチームは五つ。
下町レーシング
貴族最強最速
ナナメカニック
賄賂まかせろ商会
お代官様レーシング
各車最終検査に余念がありません。
ついにスタート地点に各車出そろいました。
5・4・3・2・1・0
全車一斉にスタートです?
一台取り残されています。どうしたんでしょう。
メカニックがエンジンルームを空けて点検しています。
エンジンが取り去れました。まどうえんじん?と紙に書かれています。
エンジンはありません、子供の落書きが入っていました。
見るとナナメカニックのメカニックは全員子供です。誰だこんなチーム出したのは。
運営に苦情がはいってます。
レースは初版。下町レーシングと貴族最強最速がトップ争い、目が離せません。
遅れて賄賂まかせろ商会とお代官様レーシングが密談を始めています。
「賄賂まかせろ商会も悪よのう」「お代官様こそ」
名前に因んだお約束でしょうか。運営か両チームともに失格を言い渡しました。
残るは2チーム。譲れない戦いです。
コーナーを回って、光りました。日光が反射しています。
どうやら貴族最強最速チーム車体を金ぴかにしすぎて眩しく成ったようです。
運営が協議しています。あ、失格です。失格判定が出ました。
今、下町レーシングがゴール。
優勝は下町レーシングです。
コースは沼有り坂あり砂利ありでしたんですけどねぇ。
あまり関係無くなってしまいましたね。
なまけもの君レース




