ハナとマリー
ハナとマリーは服を見て回っていた。
肌にぴったりな服もあったが大人には成りたくないお年頃。
つまり止めた。甘味に興味があるので店を見て何処に入ろうか悩んでいた。
「お嬢ちゃんたちだけなの?親は何やってんだろうねぇ、子供達だけほっぽり出して」
甘味屋のおばあさんだった。
この世界にパチンコ屋は無い。こどもを放っておいてパチンコをする親もいない。
その点健全な社会だった。
「私たちに親は居ないの」
「私たち爆煙のパーティメンバーなの」
「へーえそうかいそうかい。悪いこと聞いちゃったね。ささっ中に入ってゆっくりおあがり。」
私たちは孤児でリーダーに拾われて修行して今は稼ぎが出来て元いた所の孤児達に仕送りをしている等話をした。
「そうかいそうかい偉いねぇ」おばあさんはにこにこ頷いて聞いていた。
そこへキキーッガラガラガッシャーンと音がする。
慌てて外に出てみると馬車に轢かれたのか子供が血まみれだった。
ハナは駆け寄りすぐさまヒールをかけた。
血の気の引いた顔はみるみる血色を取り戻しすやすやと眠っている。
マリーは馬車にもけが人はいないか調べ始めた。
そこへリーダーが通りかかった。
絶妙なタイミングである。馬車の中の者は貴族だった。
馬車を修理し、馬を治療し貴族御一行は眠らせた。
つまり事故は無かった事にしたのである。
面倒臭いから。
この後みんなで甘味を堪能した。




