冒険者ハビリスの浄化業
見難い火傷の子147
冒険者ハビリスの浄化業
深淵ダンジョン
第十三エリア
古第三紀エリア
哺乳類の時代
※深淵ダンジョン第十三エリア
生物すべてが“8倍”の世界。
ピテクスは語りだした。
ピテクス「爆炎の諸君、突然だが、
主都サール、北の都スノウ、南の都トロピは
猿国の三大都市。そのうち、北の都スノウ。
ここに問題がある。
スノウには城があるが、今は使われて居らず、アンデットが住み着いた。
訪れる者に被害が出ている。これを防ぎ、
城をスノウの観光資源にしたいと連絡が来た。
紹介状は書いた。
行ってくれんか。行ってスノウの街の協力をしてほしい。」
爆炎は旅たった。
ワイバーンが襲ってきた。ゴブリンが出るくらいだし。居るよね。ワイバーン。
古第三紀+異世界魔物。古第三紀エリア。
さっさと捕獲。袋に詰めた。
イカロニクテリスが襲ってきた。矢も網も効かない2.4メートル。
コウモリ狩りにはブーメランと某民族が編み出していた。
早速手裏剣をブーメラン形にして、撃てた。軌道が変わると対処できないって、
所詮魔物畜生だ。大量捕獲。袋つめ。
ペラゴルニスが襲ってきた。翼開長は約50メートル。爆炎の面々はニッコニコである。
空で大漁。思いがけない幸運。僥倖。相好を崩すのは仕方が無い。
やがて、スノウに到着。
門の際に着地、総員下船後ソラを収納。入場審査で紹介状を見せ許可が下りた。
門兵はソラを見なかった事にしたようだ。どこか顔が強ばっていた。
帆船が飛ぶのは文明が進んだ猿国でも異様なのかも知れない。
SLが飛ぶ某異世界物の様な違和感。尤も、この世界も大概ではあるが…
ギルドに入った。
リーダー「こんにちは、SSS級冒険者パーティ爆炎です。よろしく。」
紹介状を渡し、依頼版を眺めていると…
受付嬢が走り去る。
片目眼帯の猿人を連れて戻ってきた。
こちらを指して何やらぼそぼそ…
「紹介の有ったSSS級冒険者パーティと言うのはお前らか。俺はギルド長のトロプスだ。」
「そうです。」
「実は東の廃城にアンデットが住み付いて、
観光資源にも出来ず困っているのだ。
君たちの実力でなんとかして欲しい。
頼む。」
魔物討伐依頼
適合クラス:A
内容:東の廃城のアンデット討伐
危険要因:
・呪い。
・生命力の吸収。
完了報酬:金貨1000枚
目的:観光資源確保
爆炎「目的は街の安全じゃないの?」
トロプス「ちょっかいを出さなければ安全だから良いのだ。」
依頼を受け地図を貰った。
城に着くといかにも廃城らしく、肝試しに入った跡があった。
「爆走連、血味怒露参上、夜露死苦」
と画いてある。何やら模様みたいな落書きもある。自称アートらしい。
やれやれ。
爆炎の前に入った冒険者が居た。
しきりと「ピュリフィケイション」を唱えていた。
浄化業を営む冒険者ハビリスと言う者で、文化遺産がこんな風に廃れるのは悲しいと言っていた。
しばらく同行する事にした。
奴らは、
同一文面「こんにちは」から始まる。
同一構文「如何にも生きている人を装う。」
同一誘導「同一の奈落に落とす。」
論理が破綻しており、
現実的な質問が苦手で、
具体性が無い。
奴らは、会話相手、救う対象、ではなく、処理対象。
夜に現れ、同じ呪文を唱え、光を当てると消える。
――それは人ではない。
爆炎はハビリスの話に聞き入っていた。
彼を手伝うことにしたのだ。
同じように「ピュリフィケイション」を唱えて回った。
すっかり城は浄化が澄んで空気が変わった。
アンデットを討伐するのではなく、居られなくしたのだ。
落書きも消して城は古風な佇まいを取り戻していた。
ギルドに帰り、冒険者ハビリスの人物像と手伝ったことを伝えた。
その後、観光課が入り整えて居た。
今はギルドでアンドリューサンドを頬張りながら新生代珈琲を飲んでいる
いつもの爆炎なのであった。




