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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ホラー・ホラー風味

とある秘密主義な宗教団体の様子

作者: まい

 謎の宗教団体の実態を調査すべく、人員を送り込んだ。


 潜入させた人員は有能で、情報はドンドン集まってくる。


 そして今日はその宗教団体で大切な儀式が行われるらしいと報告が届いた。

今日(こんにち)までの厳しい修行をよくぞ乗り越えました。 その実績を()(たた)え、認めた証としてこの我らが女神に(たまわ)った()()仔山羊(こやぎ)貴方(あなた)に与えましょう」


「ありがとうございます! 使徒様!」



 異様に白い、和洋折衷な現代建築の大きなお屋敷の大広間。


 その大広間で使徒様なる人物による、修行を終えて祝福を受ける儀式が行われている。


 この儀式をしている集団はコーメ教と自称する謎の新興宗教団体で、代表はこの土地の所有者であり自身を使徒と呼ばせているナニカである。


 ここは屋敷の外装が白ければ、内装も白い。


 コーメ教のシンボルは、白く塗ったデフォルメしたヤギの頭だけのシルエット。


 使徒様もフード付きの真っ白いローブを着込んでいて、フードを深く被っているので姿を全く視認できない。


 数少ない得られる情報は、人型で男である俺より背が小さく肩のラインが丸い事から、恐らく女性であること。


 それとまるでヤギみたいな巻き角がフードからはみ出ていて、それが見える程度だ。 まさにコーメ教のシンボルみたいな頭の形をしている。


 セリフで仔山羊と言っていたが、それはこの使徒様が使っている一人称だ。 なぜそんなのを使っているのかを知っている()は、どこにもいない。


 声は中性的で、そっちからは性別を判断が不可能である。


 使徒様と同じ白いローブを被っている集団が使徒様の背後に並んでいるが、その輪郭(シルエット)は人間と呼んで良いのか分からない、妙にデコボコした形になっている。




〜〜〜〜〜〜




 俺はここに潜入した調査員。


 強引に(書類にしか存在しない存在から)この施設へ押し込められた、社会不適合なバカモノって設定で入り込んだ。


 最初の内は反抗的な態度でいて、複数回説教を受けて反省して改心し、真面目に修行をしている……ように見せて内部の観察をしている。


 この儀式には「そのまま敬虔(けいけん)な信者でしばらくいられたら、お前もアレを受けられるぞ」と見学できる機会を得られたから、調査目的で参加した。





 一発で分かった。


 この儀式はヤバい。


 冷や汗が止まらない。


 コレはまともな宗教団体がする事ではない。


 なんでかって?


 そんなのはアレを見れば誰でも分かる。



 使徒からもらった聖水とやらを躊躇(ためら)いなく飲んだヤツを見てみろよ。


 人間とは思えない絶叫を上げたと思ったら悶え苦しみだして、その間に姿が変わっていくんだ。


 片方の手の指が触手っぽくなったり、腕や足のバランスが崩れてまっすぐ立っていられなさそうになったり、服で見えない部分が妙に(ふく)れ上がったり。


〘アリガトゥウ ゴザーアウ スベッワ ワーラガ メガッミサーニ〙


 ほら、日本語の発音すら怪しくなった。


 こんなの普通の人間が出来る所業じゃない。


 本当にヤバい。 ヤバすぎる。


 こんな所、興味で調査に来るべきじゃない。


 一刻も早くこの様子を報告して、逃げなければ!




 以上。 送り込んだ人員らしからぬ、走り書きの日記みたいなメモより。




〜〜〜〜〜〜




 以降、送り込んだ人員からの情報は途絶えた。


 恐らくもう人員の命は無いだろうと見られる。


 あまりにも常識離れした情報により、情報を受け取っていた組織は思考停止し、そういった超常的なものを扱う部署へ丸投げさせることになった。




〜〜〜〜〜〜



 クトゥルフなTRPGをなさっていらっしゃる探索者の皆様なら、ぶっちゃけバレバレですわな。


 とある神格の色を変えただけだと。


 まあそういう事です。 ここから探索者がその宗教団体の屋敷へ送り込まれるプロローグの開始です。

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