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シケモク日記  作者: uni
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終末は質素に

もう何年になるか、 いや何十年なのか、 数えることも、無意味か


この雨は止まない。これからも止むことはないんだろう。


何も無くなった。





なぜ自分だけ?



ーーーーーーーーーーー



トランプ大統領が就任し、世界は変わり始めたように見えた。

実際、多くの面で変わっていっていた。


が、

彼は重要な処では不足だった。全く不足だった。


それまで世界の殆どを支配していたWNO、新世界秩序一派という世界を経済力で支配しようとした金だけはものすごくある一派の連中には、ほとんど手を付けなかった。

俺は、トランプとマスクとケネディ氏は、NWOをせん滅し1匹のこらず処刑してくれると期待していた。

NWOさえこの世から消え去れば、世の悪意の大半は消え去り、よの悪意による欲の大半も消え去ることができるからだ。


自分は長く神に仕え、世の悪意という穢を感じるようになっていた。

どの神というのではなく、ある日、神を感じ、それを追い求め、それに従い、己の心つまり魂と精神の鍛錬をしていただけだ。そしてより神を感じるようになっていただけ。


小さき神から創造神と人類に呼ばれるようなたくさんの神。もちろん創造神にちかくなればその姿など無いものだ。人間の概念を遥かに超え、想像などできない場所のそれなのだから。



自分は知った。

自分のような、でも、自分とは桁外れに創造神に近づいていた人類が一人いたこと。

家族を持っていたこと。

家族を1人失い、そしてその者はもう人類を見限った。肉体を捨て、残った家族を率いて創造神の世界に旅立った。


彼は世の浄化をしていた。清浄化をしていた。創造神の近くのなにかたちの力を借りて。

NWOどものような物体達は汚れが強すぎた。が、一般人達や人間以外の生き物たちには行き届いていた。

けがれが無い生き物、少ない人間など、魂が清浄化されていっていた。

しかし、

彼は、やめた。見捨てた。


その時から、全て終わりが始まった。


しとしと降る雨が止まない。

陽の光は地上に届かない。

作物も育たず、森林は腐っていく。

川の生物達は少なくなり、海の生物たちも見る間に減っていった。


愚かな人類達は諍い、このごに及んでもいぎたなく生き残ろうと。


人工の建物も朽ちていく。崩れていく。

もちろん、自然の山なども崩れていく。

なんか、地球の表面がどんどん平たくなっていくんだなぁ、、などとのんきにおもったものだ。


そのうち電気も止まるようになった。

気づくと、人の気配も減っている。


その頃には、遠くの気配まで感じることができるようになっていた。



NWOの連中は、シェルターを追加でつくり、備蓄なども各地から奪ってきて増やしていった。

が、備蓄された食い物にねずみや虫が群がったようだ。ネズミや虫などが本気だせば、数メートルくらいの暑さ程度のコンクリなんぞに穴を開けるのは難しいことではない。


もちろん、病気は流行る。街には、人間の死体が放置されている。生き物の中で最も危険な人間のふらんしたい。

野生の獣達が食ってくれてたらよかったのだが、それらももう少数になってるようだ。


人間の腐乱死体からの病原菌は人間にとって最悪なようだ。他の動物にあまり影響ないようだが。


NWOの連中の小さい施設内でも、諍いがおきている。治療の先を争うということだけで、銃を撃ち合ってるようだ。



自分は、もともと居る僻地の村はずれの森にある小屋に居る。

ことが始まる前からここに住んでいる。導かれてここに住み始めた。近隣の村との交流も殆どなかった。


今も村から出ていない。が、外の様子だけは手に取るように入ってくる。見させられている、と言うほうが正確か?。


私は空腹を覚えない。そう言えば、水も飲んでいないな、喉の乾きも覚えない。

今確認しても、自分の肉体に劣化など見られない。ことの起きるまえの健康な肉体のままのようだ。


たまに、ごくたまに、小屋はあたたかくなる気がするときがある。まるで陽の光に照らされた春のように。

窓の外は雨。


森も朽ちて、村の方も透けて見える。更にその遠く向こう、その気に成ればどれだけ向こうまでも。



今日も動くものはもちろん、生きているものの気配は感じられない。



知的生命体というような生き物たち

幾度と無く、このような滅亡を、この世界だけでも数え切れないほど。

他の世界でも数え切れないほど。

繰り返している、と、今知った。


今回、

見捨てて家族と旅立っていったあの男。

それを得られたのは、この世界の意義だったと。


褒美?として、私が残された?、ようなことらしい。

どこがどう褒美?なのだろうか?。完全滅亡ではなく、1体だけ残してくれた、という意味なのか?わからん。


なぜかこの森に来てからどれだけ時間を持て余しても、暇などと感じたことはなかった。

多分、これからもこの何もない時間を何もない世界を見ながらすごしていけるんだろう。永遠に?。

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