チョコレートリップ
今回の友人からのお題『チョコレート』『リップクリーム』『妹』
ここは都会から隔絶された場所にある女学院。
先輩と後輩が一組となって過ごす事が義務付けられている。
「お姉さま!お昼ご飯を持ってきましたわ」
なので昼食の風景も食堂であったり東屋であったりと様々なものがあった。
私が組んだお姉さまは外でピクニックのように昼食を取るのが好きで、よく買い出しにいく。
「あら、早かったのね花梨」
巨木の木陰で涼んでいたお姉さまがふわりとほほ笑んで迎え入れてくれる。
私はもってきた昼食を溢さないようにピクニックシートの上に広げた。
「今日は頑張って買い出してきました!」
そう言えば
「いい子ね」
と頭を撫でられる。
その仕草にドキリとした。
ドキリとしたのを隠して二人して昼食を食べる。
いつも通り、食堂の味で安心する。
「……ふぅ」
息をつくと少し落ち着いた。
昼食を食べ終わったお姉さまがリップクリームを唇に塗っている。
てかりと光る唇に目が引かれた。
こちらを見たお姉さまと目が合う。
くすりと笑われる。
「ねぇ、キス、してみましょうか?」
「え?え?」
ずい、と迫ってきたお姉さまの勢いに押されて唇どうしが触れ合う。
初めてのキスはチョコレートの味がした。
どうやら味付きのリップを試してみたかったらしいお姉さまの行動にドキドキしてしまってその日は頭が熱を持ってその日はどうにかなってしまいそうだった。