言葉を飲む
言葉の海をひたすら泳ぎ
かきわけ かきわけ
ありとあらゆる言葉達を見て
それぞれの個性と色を見て
言葉達をもっと知りたくなったのだ。
しかし、進んで行くにつれて
今ではすっかり見かけなくなった言葉達が
プカプカと浮かんだり沈んだりしていた。
そうか。この子達が死語か。
さっきまで青く澄んでいた海も
今ではもうすっかり汚れきっている。
かきわけ かきわけ
遂には
何もなくなった。
飽きたら捨てられるのは玩具だけではなく
言葉もそうだったのだ。
振り返ると死んだ言葉達が
こちらをじっと見ているようだったので
それらの言葉達を、一息に飲み込んだ。
海は、青く澄んでいた。